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第71回 ネマタの麻雀徒然草

第71回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

 思考時間に関するトラブルは麻雀以外のゲームでもよく見られます。例えばMTGでは遅延行為に関する取り決めがあります。麻雀同様、相手の手番にも行動できるゲームなので、将棋や囲碁のように「持ち時間」を導入することが難しいためです。元々プレイングが遅いことで知られていた、日本選手権を制したこともあるプロが、悪質な遅延行為で大会を失格処分になるという出来事もありました。


 麻雀の大会で遅延行為に関する具体的な取り決めがあるという話を聞きません。打ち手の良心、マナーに任されているという面もあるのでしょう。ルールとして明記して、ルールを適用できるように、参加者とは利害関係の無い審判員を設けるべきという主張もよく見かけます。客観的なルール適用が行われていれば、おそらく防げていたと思われる事件の類は、これまでも幾度となくありました。

 時間制限の無いルールであれば、遅延行為は円滑なゲーム進行を妨げるというだけで、する側にも特にメリットが無いことからさほど問題になりませんが、麻雀の大会も予選で半荘何回戦の合計得点を競うとなれば、多くの場合は時間で半荘が打ち切られるルールが採用されます。タイトル戦の決勝卓のような場であったからこそ、問題が顕在化したということを踏まえると、時間打ち切りルールにおける遅延行為でトラブルになったケースというのも、知られていないだけで結構あるのかもしれません。

 ただ、ルールを明記して適用するというのも、公式に相当する組織が存在しない現状では難しいものです。これ自体は確かに問題点ではあるのですが、審判員の存在が必須と言えるほどルールが複雑ではなく、多少トラブルがあるとはいえ、打ち手のマナーに任せる風潮があったからこそゲームとして浸透したという側面もあります。

 ルールを厳格に適用すべきという主張も見受けられますが、ルールを厳格に適用しようとするあまり、プレイヤー間で重箱の隅を突くようなクレームの指摘し合いになりかねないという問題もあります。実はこれも、MTGの初期に実際にあった出来事です。


 公式ルールがあったとしても、そのルールを厳格に適用させること自体が目的となると、初心者にはなおのことハードルが高くなりゲームとしての普及は望めません。マナーとルールの線引きをどうすべきかは、今後の麻雀界の課題であるというのは確かですが、その辺りがあやふやだったからこそ、ゲームとしてここまで普及したのではないかという気がしなくもありません。

 ただ、麻雀のトラブルの原因の多くが、「持ち時間」の不在であるというのも事実なので、そもそも自分の手番にだけ行動を起こすゲームにできれば持ち時間を導入してトラブルを防げるのではないかと思いこのようなルールを考えてみました。


 特別普及させたいという気持ちがあるわけではないのですが、雀荘におけるルール関連のトラブルを見るにつけて、将棋や囲碁のように自分の手番にだけ行動を起こすゲームなら、そんなトラブルも起こらないのにといつも思うのであります。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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