前回の内容を踏まえたうえで、一つ何切る問題を考えてみます。
東2局北家6巡目
ツモ
ドラ
(赤無しルール)
前回、前々回に引き続き同じ牌姿で恐縮ですが、昨今の麻雀戦術書で勉強された方であれば、そもそも迷わずにドラを選ばれた人も多かったのではないでしょうか。
しかし、ノーテンからのドラ切りが盲点になる、あるいは気付いていても選ばれにくいため、アンケートを取ると少数派になってしまうという現象は未だによく見受けられるように思われます。
その割には、「ドラはテンパイまで切らない」という麻雀観の持ち主と同卓することは稀で、後から牌譜を見返してみると、いささかドラ切りが早いのではと感じる打ち手の方がずっと多いもの。何切る問題として出題されるからドラ切りが選びにくいのか、それとも何切る問題に積極的に回答する打ち手にドラを特に重視する傾向があるのか気になるところです。
ドラの大切さを表した言葉として、「ドラは恋人」という有名な格言があります。「ドラはテンパイまでは切らない」という流派の方がよく使っていたと記憶していますが、学生時代の友人に「ドラは浮気相手」と言っていた奴がいました。テンパイしたら切るつもりだからやっぱり浮気相手。なかなか上手いことを言うものと思っていたのですが、一説によるとこの言葉には続きがあり、「ドラは恋人、リーチは許嫁。」というのが元の文だそうです。
他に出拠を確認できなかったので真相は定かではありませんが、これが事実であれば、この場合の「恋人」はまさに「浮気相手」と同義ですし、「リーチ」は、既に出来上がっている手役に置き換えてもよいでしょう。
まだ将来を共にする相手がいない段階であれば、恋人を大切にして然るべきですが、許嫁がいるのであれば、浮気相手に手を出すのはむしろ悪手であることが多いもの。恋愛は麻雀のように零和ゲームとは限らないとはいえ、後半の言葉を合わせれば、なかなかに麻雀の本質を鋭くとらえていると感じさせられたのでありました。
ただ、麻雀は性別関係無く楽しめるゲームなので、「嫁」という男性目線の言葉は少しふさわしくないかもしれません。「連れ合い」「パートナー」という言葉もありますが、個人的には愛情をあまり感じない言葉に聞こえてしまうので、「伴侶」ならどうでしょう。「ドラは恋人、手役は伴侶。」今後はこの言葉を流行らせていきたいですね(笑)