- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第二章
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絞ると残りの他家2人が有利になるので、基本的に絞るのは損とされますが、逆に言えば残りの他家2人を有利にしてでも特定の他家1人が不利になるのが望ましいのであれば絞り得と言えます。親がダブ東をポンしていればドラ1で5800、ドラ2で12000点。子のリーチよりも打点が高くなることが多くなるので、絞った結果親がアガれずに他家のアガリになったとしても得していることが多いと言えるのではないでしょうか。鳴かれるだけなら問題ないと思ったら既にテンパイしていてロンされることもあるので尚更です。
鳴きは打ち手によって判断が分かれやすい分野なので、鳴き手に対する押し引き判断をシステム化するのは特に難易度が高いものです。しかし、鳴いた他家がそれなりに合理的に打っているのであれば、手材料が豊潤で高打点の可能性が高いと読める河になっていることは少なくありません。112ページはたった4巡しか経っていませんが、本書で説明されている通りこれだけでも手材料が豊潤であることが分かります。
2つも3つも鳴かれていて、鳴きだけで高打点と分かる場合は対応しやすいですが、今回のように1鳴き止まりだと、まだテンパイしていないかもしれない、テンパイしていたとしても安手かもしれないと思い込んでつい押し過ぎになりがちです。もちろん毎回相手の手牌にドラが固まっていることを前提にすると今度は引き過ぎになるので、重要なのは手材料が豊富であることが分かる河に気付けることにあります。
結果的に114ページのようなダブ東ドラドラのアガリになりましたが、赤有りルールならテンパイしてそうなところからの5の手出しにも着目したいところ。今回はメンツが完成したケース、待ちでテンパイしたケースもありますが、既にテンパイしているとしたらとの振り替えになります。5800ならまだ押せるけど12000以上濃厚なら押せないというケースも多々あるので見落とさないようにしましょう。
初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀
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現在麻雀界はMリーグの開幕で活況を呈しています。トッププレイヤーによる真剣勝負をリアルタイムで観戦できるのは麻雀ファンとしても興味の尽きないところです。 そんなMリーグに最年少で参加しているのが日本プロ麻雀協会所属の松本吉弘プロ。第9回 TwinCup優勝、第25期 發王戦優勝などの勢いを買われ、サイバーエージェントがオーナーを務める「渋谷ABEMAS」に大抜擢されました。 元高校球児で強面。その容貌から「卓上のヒットマン」の愛称でファンに知られている松本プロですが、麻雀の腕も一級品。 その場の状況に応じて様々なスタイルを使い分ける「ベストバランス麻雀」を身上としてMリーグでも活躍しています。 本書は手順、読み、大局観、ゲーム回し、押し引きといった麻雀で勝つための重要事項をテーマに、松本プロが自身の戦術を初披露した、ファン注目の一冊です。