実は、前回と同時期に、麻雀プロ団体のようなリーグ戦を、ハンゲームの麻雀(赤有りルール)でやろうという企画がありました。参加者は石井氏を始め、先制リーチの強さの提唱者とも言える東風荘トップランカーの氷室氏、石井氏と同期で最高位戦にデビューしたK氏、第108回でも御紹介したC氏といった豪華メンバーの中に、何故かネットでもリアルでも全く実績が無かった私を加えて8名でした。
オンライン麻雀なら数多く試合をこなせるため、実力差を明確にするためにも数百戦単位で行うことを考えていたのですが、雀荘メンバーに加えてプロ雀士としての活動を始めた方と時間を合わせるのが難しいということもあり、結局数十戦消化したところでリーグ戦は自然消滅。それから間もなくして「天鳳」がリリースされたこともあり、私も含め参加者の数名はそちらで段位戦をプレイすることが増えましたが、たった数十戦とはいえ、牌譜を検討しながら対局者との実力差を痛感させられる。麻雀人生の中でも本当に貴重な経験になりました。
「天鳳」がオンライン麻雀の主流になってからは、天鳳のトッププレイヤーが強豪プロ雀士と対決する企画、「天鳳名人戦」が毎年開催されるようになりました。ルールもオンライン麻雀の主流である赤有りルール。第七期より牌譜検討を「麻雀ウォッチ」内で掲載させていただいておりますが、強豪の打ち筋を検証することの楽しさ、驚きを、あの頃と同じような気持ちで味わされます。
しかし当時のメンバーの大半はオンライン麻雀界から引退。参加者の全員がまさに「麻雀バカ」でありますので、麻雀は何かしらの形で続けているとは思いますが、麻雀界は一人の人間が把握するにはあまりにも広過ぎるもの。一期一会とはいえ、やっぱり少し寂しいものです。