第115回で、赤ドラ有りのルールがプロの公式戦(Mリーグ)で導入されることになったことをお話しましたが、赤ドラ有りを公式ルールとする団体、「全日本麻雀協会」が発足したということも見逃せない出来事です。
代表の土井氏、1期生の平澤氏の著書については、麻雀本レビューにて何度となく取り上げさせていただきました。
「いつかは赤有りルールのプロ団体を設立したい。」今から13年ほど前に、そのような言葉を聞いたことを思い出しました。そのように語っていたのは、『フリー雀荘で得するのはどっち?』『麻雀偏差値70へのメソッド』の著者でもある。最高位戦の石井一馬氏。当時はまだプロ雀士としてデビューしたばかりの頃でした。
石井氏がネット麻雀「東風荘」のトップランカーであったことは著書でも記されていますが、リーチと鳴き両方とも多用するスタイルは、言うなればネット麻雀トップ層のトレンドとも言えるでしょう。今でこそ高リーチ率高フーロ率タイプの強さが認知されてきていますが、当時は知らない人からすればまさに「異端」であったことでしょう。そのようなスタイルで打った方が強いことを何となく意識し始めていた私でさえ、石井氏を含むネット麻雀のトップ層と卓を囲むと、その攻撃の速さにまず驚き、ただ速いだけでなく、破壊力と繊細な守備力も兼ね備えられていることに再度驚かされることでありました。
ネット麻雀最強こそが牌を積むリアル麻雀でも最強。そもそも、ネット麻雀とリアル麻雀のプレイヤー層が完全に分かれていると考えるのがおかしな話で、強者はどちらのフィールドでも結果を出すものです。今となっては当然の話と思われるかもしれませんが、当時の麻雀関連の掲示板を見る限り、真実に辿り着いている人はほんの僅かだったように思います。私自身も、たまたま両方の世界で結果を出している打ち手に出会えたから気付けたとしか言い様がありません。