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ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討  第61回

ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討 第61回

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ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第九期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第六節一回戦A卓

▼対局者

Ⓢ福地誠
小林剛
独歩
渋川難波

牌譜はこちら

東3局1本場

雀頭候補が無い2シャンテンにつきマンズのノベタンを残しますが、もドラそばかつ678三色目の残る強い浮き牌。打としそうです。

東4局

ポンしてホンイツ狙いの落とし。残る浮き牌がと狭いので1シャンテンに取りそうですが、安手で局を流すメリットが薄いラス目ならではの判断。こちらの仕掛けに他家が降りてくれればよいですが、他家からリーチがかかればシビアな押し引きを強いられるので胆力の要る選択です。

東4局1本場

ダントツの親ですがトイトイ狙いでポンから発進。足切り回避の為更に加点したいというのもありますが、一戦勝負だとしてもトップ目の東家が避けたいのは高打点の手をツモられること。字牌で守備力を確保できる手なら、他家への牽制になる遠い仕掛けも有力です。

3副露して字牌4枚のノーテン。上家ののみ手ツモで局が流れたので目論見通りというところでしょうか。

南1局1本場

東場では大きく沈みましたが南場の親番でまずは5800のアガリ。南家は東家が鳴いておらず、東家がまだノーテンなら将来放銃牌になる可能性があるから切りましたが、大きく沈んでいる東家がポンしてノーテンならは残してそうなもの。仮に東家がノーテンだとしても、既に確実に通る牌が豊富にあるので手詰まりの恐れは少ないとみて打としそうです。

南1局2本場

見た目のアガリ牌はダマ出アガリ11600のと枚数は変わりませんが、待ちのダマ出アガリ7700を選択。ダブルエントツとでも言うのか珍しい4メンチャン。二色にまたがっているので、枚数は同じでも他家からの出アガリしやすさでは上回ります。打点差をカバーできるほどの差なのかは判断が難しいところですが、ラスの負荷が大きいルールならではの選択と言えそうです。結果的には下家からで出アガリ。テンパイ時点では1枚も山に残っていませんでした。

南1局4本場

西家リーチに手出しでを押してきた東家はいかにも待ち。共通安牌があるにも関わらず打で振り込み。ドラが見えているので振っても1500止まりであることが多く、足切り回避狙いなら局を引き伸ばすことで更に加点できるチャンスが増えた方が望ましいとみての選択でしょうか。

南4局2本場

オーラストップ目で役有りテンパイでしたが、北家の2副露を受けてツモ切りリーチに切り替え。素点を稼ぎたいところではありますが、リーチをすると北家の7700出アガリでも逆転されるリスクがあります。ただし北家が7700の手ならツモられればいずれにせよ逆転。他家を足止めする効果も踏まえればリーチしても逆転手をアガられる可能性は上がってないと判断したというのもありそうです。ただし素点を稼ぐことも狙いのうちに含まれているのであれば、ツモの段階、あるいはカンテンパイの段階でリーチする手もあり、どのタイミングでリーチを打つのがベストなのか、それともやはり最後までダマにした方がよいのか。この辺りの判断は難しいところです。

北家に逆転手のテンパイが入りましたが、テンパイ打牌のを討ち取って11600のアガリ。足切り回避に望みをつなげました。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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