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ネマタの手組の達人 第26回

ネマタの手組の達人 第26回

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トイツ+フォロー牌の形が2組あり、全体でトイツが3つある1シャンテン。トイツが3つ以上ある場合、トイツを崩してカンチャンを残した場合の受け入れロスは2枚。トイツを残してカンチャン受けを外した場合は受け入れロスが4枚なので2枚の受け入れ差があります。一般論として、「3トイツが弱い」と言われるのはこのためです。

トイツを崩して1シャンテンに取るなら打か打。この比較については、カンチャンテンパイが残った時のアガリやすさに大差なければ、リャンメンに変化しやすいカンチャンターツを固定するのがよいでしょう。今回ならリャンメン変化が2種あるカンチャンを固定する打。打としてを引いた場合も、を切っている分打と比べて受けが狭まっているとはいえ、456三色は残るのでロスが少ないというのもあります。

しかし、「カンチャン>3つ目以降のトイツ」というのは、あくまで受け入れ枚数に2枚差があるという点においてです。他にトイツを優先する要素があればこの限りではありませんし、実戦的にはむしろそのまま適用できるケースの方が少ないまであるかもしれません。

3トイツの形をほぐすかどうかについてはこちらでも検証しております。まとめると、

①「トイツをメンツ候補としてみる」

②「メンゼンで進める」

③「チートイツやトイトイ、三暗刻が無い(あっても狙うメリットが薄い)」

①②③が全て揃っている場合は、3つ目のトイツよりカンチャンを残す方がよいと言えます。

さて、今回の牌姿は、①雀頭候補はがあるのでピンズ、ソーズのトイツはメンツ候補として扱う②タンヤオがあるとはいえ鳴くと安く、1シャンテンなのでメンゼンでもテンパイしやすいから基本メンゼンで進める③チートイツやトイトイ、三暗刻にはならない 一見①②③を満たしているようにも見えますが、マンズの形が「」、4連形を含むトイツなので、と良形変化が4種もあるのがポイントになります。

マンズが良形に変化(仮にツモとする)した場合、

前者は打としてマンズの3メンチャン固定。良形テンパイのなりやすさで後者より明確に有利です。雀頭候補だったマンズがメンツ候補に変化したので、トイツ+フォロー牌でこれまでメンツ候補だったピンズかソーズが雀頭候補になり立場が逆転しました。

4枚のよりは先にをツモることが多く、巡目も早いので変化を待つ猶予があることを踏まえると、アガリやすさについてはトイツを固定した方がアガリやすいと言えるのではないでしょうか。打と打なら良形変化の枚数は同じ、引きで3メンチャンが残る分打がよいと言えます。

…しかし実はこれで終わりではありません。トイツ固定かカンチャン固定かと迷った時は「第3の選択」。トイツを崩して浮かせ打ち、2シャンテンに戻す打も候補に挙がります。

の形は一般的に「カンチャントイツ」と呼びます。しかし当記事ではこの呼び方ではなく、あくまでトイツ+フォロー牌としてしているのは、メンツが完成した際にフォロー牌部分が浮き牌として活きて2メンツ以上作ることも有り得るからです。カンチャントイツを1つの組としてだけみなすとこの考え方を見落としがちになります。

2シャンテンに戻してまで変化をみるかどうかは、テンパイを逃した時にできる1シャンテンが、テンパイに取れた場合の手牌よりも優れているかどうかで判断します。

としてを引いた場合

を引いた場合

前者は打としてメンタンピンになる受けが6種あるくっつき1シャンテン。後者は打として更に456三色になる受けも残ります。タンヤオの悪形待ちでリーチを打つより良いと言えるのではないでしょうか。巡目も早いのですからなおさらです。

よって今回は「その他」の打を想定解といたします。今回に限らず、3択の中に自分の切りたい牌が無ければ迷わず「その他」に御回答下さい。これまでの26回のうち「その他」を想定解としたのは6回。しかも「その他」が選択肢に無かった回もあるので、平均の25%を上回っています。選択肢が豊富で意外な打牌が有力になる問題を意識的に取り上げているので、自然と「その他」が正解になることも多くなります。

手組の達人第27回

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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