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ネマタの戦術本レビュー第1190回「『世界最強麻雀AI Suphxの衝撃』編 その8 著:お知らせ」

ネマタの戦術本レビュー第1190回「『世界最強麻雀AI Suphxの衝撃』編 その8 著:お知らせ」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるもの、または更に掘り下げたい部分等を取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

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第2章 スタンダードな押し引き

1.どうでもいい手牌

①張らない手牌

どうでもいい手牌とは、極めてリターンが低い手牌とも言えます。ある程度麻雀に慣れると、放銃リスクが高い選択は自然と回避できるようになります。むしろ注意すべきはリターンが十分高いにも関わらずリスクを恐れて引き過ぎてしまうことです。

一方、極めてリターンが低い手であれば、たとえローリスクであっても放銃の可能性がある牌を切るのは損。勝ちきれない打ち手は「ハイリターンなのに引き過ぎ」かつ、「ノーリターンなのに押し過ぎ」であるもの。押し引き基準を見直すより前に、不要なリスクを負ってないかを注意するようにしたいものです。

②序盤の赤信号 序盤で3種目の三元牌を切るかどうかは、仮に三元牌でない役牌だったら切るかどうかを考えるとよいでしょう。役牌3つで最低5200点。ドラ1あれば満貫。全くリターンの無いところから切るのはただ損なだけですね。本書の指摘通り、聴牌前に危険牌を間に合わせるリターンが果たしてあるのかどうかを確認することが必要です。

③聴牌している手牌というのはそれだけでそれなりにリターンがあるもの。逆に言えば終盤で聴牌していない手牌は、「うまくアガリに結びつけば高打点」だとしてもリターンが著しく低くなります。終盤は他家1フーロでも聴牌している可能性が高くなるのですからなおさらです。

④配牌からアガリにかなり遠い手であれば、全力でアガリを目指してもアガリ率はさほど上がらないので高打点狙いの手組が基本になります。悪配牌からツモが噛み合ってうまくアガリに結びついた時の快楽は打点以上のものがあります。

だからこそ気をつけたいのは、手組に夢中になるあまりにうっかり他家に振り込んでしまうこと。序盤で高い手に振り込むことを「交通事故」と呼ぶことがありますが、極めてリターンが低い手であれば、序盤1フーロ+中張牌複数手出しのような、聴牌の可能性がそれなりにある手への事故も避けて通れるようにしましょう。

世界最強麻雀AI Suphxの衝撃

世界最強の麻雀AIを人間のトッププレイヤーが本格解説!

2019年6月、麻雀AIで初めて天鳳十段に到達し話題をさらった「Suphx」(スーパーフェニックス)。

天下のMicrosoft社が麻雀という不完全情報ゲームに殴り込みをかけてきたのです。「Suphx」の強さはもはや人間のトップレベルに達しており、他のボードゲームがそうであるように、麻雀も「AIから学ぶ」時代に突入しつつあります。

本書はその端緒となるもので、最強のAIである「Suphx」を人間界のトップといえる天鳳位を獲得したお知らせ氏が徹底的に解説するのものです。

お知らせ氏の筆致は処女作である『鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム』で証明されたように緻密にして正確無比。「Suphx」の打牌を咀嚼し、人間の知として昇華する上でこれ以上の適任はいないでしょう。

ぜひ本書で「Suphx」の強さの秘密と、麻雀というゲームの深淵を味わってください。

●目次
第1章 強くなること
第2章 スタンダードな押し引き
第3章 中盤のスリム化
第4章 序盤の方針

●著者プロフィール
1989年9月18日生まれ。
神奈川県横浜市出身。東京大学工学部卒。
第14代四麻天鳳位。
著書 「鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム」(マイナビ出版)

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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