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ネマタの戦術本レビュー第1189回「『世界最強麻雀AI Suphxの衝撃』編 その7 著:お知らせ」

ネマタの戦術本レビュー第1189回「『世界最強麻雀AI Suphxの衝撃』編 その7 著:お知らせ」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるもの、または更に掘り下げたい部分等を取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

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第1章 強くなること

7,麻雀は流れ

流れと言っても、ここでの「流れ」とは「選択や結果があたかも抽選に影響しているかのように感じる、人間特有の脳の欠陥から生じる錯覚。」のことではありません。抽選や選択が、後の選択や結果に与える影響のことです。

流れを読むと言っても、ここでの「読み」とは、手牌読みや山読みといった、「公開情報から非公開情報を推測する」のではなく、「現在の局面という公開情報から、将来の展開という未確定情報を推測する」こと。「流れ」「読み」に比べると何とも堅苦しい表現ですが、定義が曖昧にも関わらず多義的な言葉を用いる際は、どんな意味合いを持っている言葉なのかを確認しておきましょう。

Suphxは安牌を抱えることが多く、比較的メンゼン主体の打ち回し。これも「古臭いAI観」の一つですが、最強AIならギリギリまで踏み込んだ押し引きができるから安牌をそれほど持つ必要が無いと思っていたので意外でした。

しかし、「ギリギリまで踏み込む押し引き」と言うのは、裏を返せばギリギリまで踏み込まずともさほど損はしないということ。一方で本書にある通り、「手詰まりの頻度を減らす」ことは、結果に与える影響が大きい重要な技術。麻雀は誰かの聴牌が入った時点で手牌価値がガラリと変化し、あたかも違うゲームかのような形相を示します。ゲームの切り替わりがどこで起こるかを予測し、事前に備えておく。これも一種の「流れという名の展開を読む」技術です。

麻雀のデータ研究が盛んになるも、麻雀AIの開発はほとんど進んでいなかった頃の話。当時の研究の影響を受けていたプレイヤーには、安牌を持つ必要性を軽視する傾向があったように思われます。私自身がまさにその手のタイプのプレイヤーでした。押し返せたはずの手が押し返せなくなってベタオリ。ベタオリしようとして手詰まりになって結局振り込み。今の視点でみればだいぶ酷いミスを繰り返していたに違いありませんが、それでも研究の影響を受ける前に比べれば、確実に強くなっていると断言できるほど成績が良化しました。

その理由は、「ただ手狭に構えるだけではSuphXの真似にならない」ことの裏返しであると言えるかもしれません。受けがあることに気付けない打ち手であっても、実際にを引きさえすればメンツが完成したことはほとんどの打ち手が認識できるはずです。

ベタオリに関しても、予め共通安牌を何枚も抱えていれば手詰まりこそ起きませんが、どんなに慎重に打ってもアガリを目指す必要がある以上手詰まりに近い状態になる可能性があります。そしていざそうなってしまうと、普段手詰まりをしない打ち手ほど経験不足からベタオリに失敗しやすくなるとも言えます。

このように、ただ手狭に構えるだけでは、先手を取れずに勝てない展開が増えるというだけでなく、残す牌にどんな価値があるか、残った牌が将来どの程度危険になるのか、どの程度危険牌が浮くのか。こうした知識を身に付ける、あるいは実戦で確認することが無くなり、学習機会が失われてしまうとも言えるのではないでしょうか。

もちろん押し返しを考慮した安牌残しの有効性が戦術書で何度となく取り上げられるようになった今となっては、正解ではないと分かっていながらあえて損な選択を取ることもありません。分岐先が少ない「押し引き」は「終盤」とも解釈できるので、本書は「終盤」「中盤」「序盤」。と、従来の戦術書によく見られた、「序盤」「中盤」「終盤」とは逆の構造。分岐先が少ないほど学習しやすく、なおかつ実戦でも結果に影響しやすいので、最強AIの戦術を効率良く学べる作りとなっています。早速次章から学びを深めていくことにしましょう。

世界最強麻雀AI Suphxの衝撃

世界最強の麻雀AIを人間のトッププレイヤーが本格解説!

2019年6月、麻雀AIで初めて天鳳十段に到達し話題をさらった「Suphx」(スーパーフェニックス)。

天下のMicrosoft社が麻雀という不完全情報ゲームに殴り込みをかけてきたのです。「Suphx」の強さはもはや人間のトップレベルに達しており、他のボードゲームがそうであるように、麻雀も「AIから学ぶ」時代に突入しつつあります。

本書はその端緒となるもので、最強のAIである「Suphx」を人間界のトップといえる天鳳位を獲得したお知らせ氏が徹底的に解説するのものです。

お知らせ氏の筆致は処女作である『鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム』で証明されたように緻密にして正確無比。「Suphx」の打牌を咀嚼し、人間の知として昇華する上でこれ以上の適任はいないでしょう。

ぜひ本書で「Suphx」の強さの秘密と、麻雀というゲームの深淵を味わってください。

●目次
第1章 強くなること
第2章 スタンダードな押し引き
第3章 中盤のスリム化
第4章 序盤の方針

●著者プロフィール
1989年9月18日生まれ。
神奈川県横浜市出身。東京大学工学部卒。
第14代四麻天鳳位。
著書 「鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム」(マイナビ出版)

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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