麻雀の知識は数多くありますが、バラバラに独立しているわけではありません。
実戦では、いくつかを組み合わせて判断する場面が多くなります。
この組み合わせ方が、面白いところでもあり、難しいところでもありますね。
今回は、これまでの連載で紹介した知識を組み合わせる例を紹介しましょう。
例えば、親が先制リーチをかけていて、他家の子が、を切ったとします。
は、安全牌でもスジでもありません。
この切りには、どういう意図があるのでしょうか?
そして、自分はどのように対応するのが良いでしょうか。
一つ目のパターンは、本当はオリたいのに安全牌がない場合。
真ん中を牌を切るよりは、少しでも端の方がマシと考えて、を切るケースです。
このケースは、巡目が進んで安全牌が増えれば、普通にオリ始めます。
二つ目のパターンは、手が高いので勝負しているケース。
その後も続けて危険牌が切られると、この可能性が高まります。
「第54回 リーチに対する他家の対応を見よう」
で紹介したように、リーチ者だけでなく、突っ張っている他家も警戒しましょう。
三つ目のパターンは、その他家が、手の中にを2~4枚持っているケースです。
「第52回 2枚以上ある牌でしのごう」
で紹介したように、一巡通れば次巡もしのげるんですね。
このケースなら、の安全度が少し高まります。
その他家がを3枚持っていればはワンチャンスになりますし、4枚持っていればノーチャンスだからです。
ワンチャンスやノーチャンスは、詳しくは第48回をご覧下さい。
もし自分に安全牌がない時は、全くの危険牌を切るよりは、の方が少しマシといえます。
四つ目のパターンは、その他家にとっては、が比較的安全に見えているケース。
具体的には、その人から、やが3~4枚見えている場合です。
はワンチャンスやノーチャンスなので、他の牌よりは落ち着いて切れるわけです。
もし、普段危険牌を切るときに、強打したり、怖々切ったりする人が、冷静にを切ったとすれば、「この人にとっては安全そうに見えているんだな。かを多く持っているのかもしれないな」と推測できるのです。もしを多く持っていればの安全度が、を多く持っていればの安全度がそれぞれ高まります。
(このように、しぐさの違いで他家に情報を与えてしまうことがあるので、普段から、危険牌を切るときも、安全そうな牌を切るときも、なるべく同じように淡々と切るのがお勧めです)
三つ目と四つ目のパターンは、自分からは見えない壁を推測し、その外側の牌を少し切りやすくする技術です。
様々な可能性がありうるのであてにはできませんが、例えば「親のリーチに対し、他家が一見危険牌のを切っている状態」で、もし自分がかのどちらかを切るしかない場合は、の方が安全といえます。
前回の裏ドラののりやすさの話と同様、微差の話ではありますが、「毎巡、少しでもマシな方を選び続ける」ことが大切なので、その一例として紹介しました。
次回は、「他家をあえて助けるとき」をご紹介します。
【お知らせ】
最近、会社のポッドキャストに出演し、麻雀の魅力や子どもの教育との関連について、お話ししてきました。
お時間あるときに聴いていただければ幸いです!
●前編
新聞社が麻雀事業に参入? 社内唯一の「プロ雀士」が語る可能性
●後編
子どもの教育に麻雀…って本気ですか? そのイメージは、変わり始めている