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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第54回 リーチに対する他家の対応を見よう

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第54回 リーチに対する他家の対応を見よう

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先制リーチを受けたとき、自分の対応を考えることは当然ですが、同時に、視野を広げて確認すると良いことがあります。
リーチ者以外の他家2人がどう対応するか? です。

他家がオリているようなら、リーチ者に専念すればよさそうです。

しかし、オリていなければ、どうでしょうか?
序盤で、まだ残りスジが多いときは、「安全牌がないので前に出ているだけ」の可能性もあります。

ただ、多くの場合は、他家も攻撃態勢にあることを意味します。
具体的には「既にテンパイしている」「受け入れの広いイーシャンテン」「打点が高い」などの状態ですね。

となると、リーチ者だけでなく、他家もケアする必要が出てきます。
リーチに気をとられていると、思わぬ方向から「ロン」と言われ、痛い思いをする経験は誰しもあると思います。

最近のMリーグの対局で、具体的に見てみましょう。
牌譜ビューアー(Mリーグのオフィシャルサポーターになると見られます)から引用します。


2022年2月28日の第1試合の東1局。親の茅森早香選手がリーチをかけました。

直後に、滝沢和典選手は親の現物[⑧]を切っています。
一方、園田賢選手は、[三]切りです。[三]は安全牌ではないですし、スジやノーチャンスなどでもありません。

[三]切りは、「私も行きますよ!」と言っているのと同じです。

朝倉康心選手は「園田選手もテンパイしているか、あるいは高い手なんだな」と感じたに違いありません。
園田選手が西家で、ドラが[西]なので、もし[西]をアンコで持っていると、中・西・ドラ3が確定し、あと一つ役があれば跳満になります。かなり警戒した方がよさそうですね。

実際はどうだったかというと、


ドラこそありませんでしたが、やはりテンパイしていました。

同じ試合の東4局では、こんな場面もありました。


親の朝倉選手がリーチし、かつアンカンをしています。
その後、嶺上牌として朝倉選手が切った[中]を、園田選手がポンします。

これも、相当攻撃的な一手ですね。
アンカンによってドラが増えており、朝倉選手の打点は高くなりそうです。

また、もし園田選手が[中]をポンしなければ、手元にある2枚の[中]は、親のリーチに対して確実な安全牌になっていたはずです。

にもかかわらずポンして前に出るのは、園田選手も勝負手だと推測できます。

実際は、このような手でした。


ドラの[⑧]がアンコで、[中]をポンして[発]を切ればマンガンのテンパイをとれるため、押したというわけです。

[二][四]のシャンポン待ちですが、既に河に[三]が3枚出ており、ワンチャンスになった[二]は他から出やすい期待もあったかもしれません。

このように、リーチを受けたときは、リーチ者との1対1の勝負になるとは限らないことを意識しておきましょう。

なお、リーチに対して他家が立ち向かっていく状態は、自分にとってよくないことだとは限りません。
勝負している人が複数いれば、その人同士で放銃しあって横移動となり、自分が失点しないケースも増えますし、誰かの勝負手を他家が安い手でつぶしてくれるケースもあるからです。

リーチに対して、他の3人がベタオリすると、俗にいう「一人旅」の状態となり、リーチ者のツモ回数が増えてツモられる確率も上がりますし、流局してもテンパイ料として1000点を払うので、必ずマイナスの結果になります。

それに比べると、2人ないし3人が争ってくれる方がマシ、ということもあるのですね。

次回は、少し応用編ですが、他家が切る牌の順序から推測できることを紹介します。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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