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もっと勝つための現代麻雀技術論 第117回 「面子候補不足、ヘッドレスの鳴き判断⑥」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第117回 「面子候補不足、ヘッドレスの鳴き判断⑥」

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 今回は面子候補不足で3シャンテン以上のケースを扱います。

 面子候補が1つある面子候補不足の3シャンテンは、浮き牌にくっつけば面子候補十分の2シャンテンになります。前回も申しましたようにメンツ候補不足の場合はスルーしてもすぐ手が進むので、「スルーして1巡後面子候補十分の2シャンテンになった場合と、鳴いて1シャンテンに取れていた方がよかったかどうか」で判断します。面子候補十分の2シャンテンで鳴くかどうかの判断基準は、第97回第107回で申しました通りです。

 上の基準はアガリを目指すことを前提にした場合の基準。鳴いてもまだ2シャンテンとなると中盤以降は守備力も考える必要があります。面子候補不足の3シャンテンは鳴くと面子候補2シャンテン。浮き牌へのくっつきで面子候補十分の1シャンテンにはすぐなるので、中盤以降は、「面子候補十分の1シャンテンになっても、リーチが入れば明確に降り有利だが安牌が少ない」ような手牌になる場合はスルーします。

 つまり鳴くとすれば第108回でも申しましたように良形が揃っている、3翻以上、親の3つのうち2つ以上満たす場合や、字牌暗刻がある等降りるには困らない手牌の場合です。

 面子候補十分の場合は、4面子1雀頭の候補が揃っている時点で、面子が1つも無くても3シャンテンでしたが、面子候補不足は4シャンテン以上になる場合もあります。4シャンテン以上となると流石に中盤以降は降り本線で手牌を短くする鳴きは避けるべきですし、序盤であっても、「手牌がどのように進むにしろ、ここで1面子作っていた方がよりよい手になる」と言えるような面子候補のみ鳴きます。

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 鳴いても4シャンテンの手なので、序盤でも守備を重視してスルーする手もありますが、ツモに恵まれれば

   

のような跳満テンパイもあり得ますし、ホンイツやトイトイにならない場合も、役をつけていれば後々面子や面子候補ができた場合にアガリの可能性を残しやすくなります。

 よっては鳴いて、後はホンイツやトイトイ関連のメンツ候補ができればそこは鳴き、そうでない面子候補については面子候補十分になるまではスルー、中盤になっても手が進まなければ安牌を抱えて降り本線で進めます。元々鳴いてもアガリに遠い手なので、鳴くと高打点の手になりづらくなるは「悪形を解消する鳴き」ではありますが現時点ではスルーします。

 今回に限らず、特にアガリまでに遠い手牌の場合は、単に手が進む受け入れより、守備力は残しつつ、うまくツモが噛み合った時に、「よりよい手」になる可能性を残すことを優先するという考え方を押さえておきたいですね。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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