技術24
「序盤にを切っている他家はを持っていない可能性が高い」のように、性質は示されていても具体的な数値までは示していない判断は「定性的」判断、「4巡目までにが切っている打ち手が0人の場合、8巡目の山には平均1.5枚残っているが、全員がを切っている場合は2枚以上残っている」のように具体的な数値が出てくる場合は、「定量的」判断と呼びます。
カンチャンターツ同士でどちらを残すかを選択する場合、他に条件に差がなければ、どちらがより多く山に残っているかが分かればよく、どの程度残っているかまで分かる必要はないので、間違った読みでなければ定性的判断でも役に立たせることができます。
これが条件に差があり、しかもその差が無視できるレベルであると容易に断定できないものについては、定量的判断が必要です。
以前より麻雀研究が進んだとはいえ、定量的なデータを求めるとなると、ある程度条件を絞る必要があります。そのため定量的なデータが正しいとしても実戦でそのまま適用できるとは限りません。
そのことを持ってデータは役に立たないと言う人もいますが、どのような場合ならデータが適用できず、別のアプローチが必要であるかを把握するためにも、定量的なデータが必要なのではないでしょうか。
本書のテーマに挙げられている通り、重要なのは「情報を得る」ことではなく、「情報を使いこなす」ことにあります。
技術25
端牌や字牌は出やすいけど、リーチする前に他家から切られて待ちが枯れてしまったら困るという主張を時に見かけますが、待ちが無いと分かっているなら手変わりを目指せばよいだけですし、待ちが残っているかどうか分からない待ちでリーチをかけ、結果的にアガリ牌が残ってなくてリーチ後に放銃してしまうよりずっといいです。
「場況の良い牌」についても同じことが言えます。 悪形リーチのみになる場合はほとんどリーチをしないという実力者も多いですが、私は本書と同様、手変わりが少なく、比較的待ちが悪くないなら即リーチでよいとみます。
ただ、とりあえず悪形でも即リーチすればよいと決めつけていると、場況の良い受けを残すことを疎かにしがち。先制リーチが強力なのは確かですが、それを踏まえた上でより精度の高いリーチが打てるように心がけましょう。
技術26
切られた牌が単純な浮き牌であれば、周辺の牌は持っていないことになりますが、切られた牌が面子や面子候補の一部であれば、逆に周辺の牌を持たれていることになります。
「持たれていない」読みに比べ、「持たれている」読みは当たらないことが多く、読める場合も限定的で技術として使いこなすのも難しいですが、「切られた牌が単純な浮き牌でない可能性が高い」ことから読むのが基本になります。
技術27
技術9で取り上げられた、平面で「微差」の問題を「微差である」と理解することの重要性はここにあります。平面上で微差であれば、後は場況の良い受けが残りやすい打牌を選べばよいことになります。
平面上で大差がつくものが場況で判断が変わる例は少ないですが、一通りのセオリーを押さえた後は、「実戦でいつ判断を覆すか」にこそ実力差が顕われます。判断が変わり得るような場況の変化に気付けるようにしたいですね。