メンゼンでテンパイさえすればリーチできるのですから、「リーチ有利なケースでリーチを打つ」ことができるだけで、何となくリーチを打ったり打たなかったりするよりもずっと戦績はよくなります。リーチはあまりしないけどそれでもそこそこは勝っているという方は、むしろリーチ判断以外の判断が優れている可能性が高いので、なおのこと即リーチを基本にされることをお勧めします。
逆に、「即リーチが基本」であることが既に身に付いている方は、実戦ではむしろ、「即リーチしないとすればどういう場合か」を集中して考えるようにすることをお勧めします。基準通りに打つことは考えるまでもなく出来ることですから、考えるべきは、「いつ基準を外すか」です。よりよい戦績を残したければ、実戦では、「意識しないと選択するのが難しい打牌」を探すことに力を入れたいものです。
即リーチが基本だからこそ、リーチのデメリットに着目して、「それでも明確にリーチ有利なケース」「ダマも考慮しておきたいケース」「ダマにした方がよいケース」を考えていくことにします。
リーチのデメリット① テンパイを他家に教えることにより出あがりが期待できなくなる
先制リャンメンリーチのアガリ率は、9巡目で約60%というところですが、仮に他家が完全に降りてツモるしかアガリの可能性が無いのであれば、南家(18巡目までツモがある)で9巡目にリャンメンリーチをした場合、アガリ率は約50%です。
いくらダマならアガリやすいと言っても、100%アガれるということは有り得ません。(一般的に、9巡目の先制リャンメンダマのアガリ率が約70%)一方、ダマで30符3翻以下のテンパイについては、リーチをすることで打点が2倍以上になります。
打点が2倍以上になるのに、アガリ率はどんなにダマ側を有利に見積もっても半分以下にならないのであれば、ダマにするのははっきり損ですね。
※ダマ、リーチのアガリ率については、『科学する麻雀』 (講談社現代新書)、他家が完全に降りた場合のアガリ率については、「ツモアガリ確率計算機」の結果を参考にしております。次回以降の講座についても同様です。
・ツモアガリ確率計算機
http://critter.sakura.ne.jp/agari_keisan.html