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ネマタの天鳳日記 第70回

ネマタの天鳳日記 第70回

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 南家のリーチにこちらは2シャンテン。2シャンテンとなればもちろんも切らずに現物から切ります。

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 しかしテンパイ時に満貫以上が見込める完全1シャンテンとなれば押したいところ。同じ現物を切るにしても、面子を崩す打ではほぼ降りることになります。「降り有利」だとしても、面子を崩してしまう前に、安牌を切りつつ追いつく手順が無いか。いわゆる「回し打ち」ができないかを先に確認しておきます。

 逆に言えば、この手牌になったとしても状況的にを押すつもりがないのであれば、リーチ者以外がテンパイした場合も共通安牌であるを残してから切った方がよいでしょう。

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 はワンチャンスとはいえ、巡目が深く、テンパイ時に更に無スジを勝負する必要があるとなると基本は降りることが多そうです。

 しかし今回は、満貫ツモか跳満出アガリでトップ(供託込みで上家を席順差で逆転できる)、満貫をツモられると3着、満貫を放銃してもラス目とはまだ大差。天鳳ルールだと降り寄りになる点数状況が多いですが、今回は結構押し寄りと言えるのではないでしょうか。

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 満貫ツモならトップとはいえ、テンパイに取るに越したことはないのでをチーしてアガリました。

 「勝負所を見極める」「勝負所だから強気に行く」のように、「勝負所」という言葉は麻雀でも度々使われますが、定義が明確になっていない言葉でもあります。

 私は今回のように、東1局0本場の時点よりもアガリのリターンが大きく、放銃のリスクが小さい局面を「勝負所」とみなしています。天鳳ルールは降り有利になりやすいですが、だからこそ、実戦ではいつ押すのかという、「勝負所の見極め」が他家と差をつける重要な要素になります。

 ※アガリのリターンは大きいが放銃のリスクも大きい局面についても、しばしば「勝負所」と表現されるので、この辺りを区別できるうまい表現があればとも思います。

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 実戦では打としましたが、雀頭にドラ()を含んでいるので、を引いた場合にドラを使い切りつつリャンメン×2の1シャンテンを維持できるようにから切る方がよいです。が無ければ、を引いた場合も端寄りのリャンメンが残った方がよいのでから切ります。

 どちらを先に切るかによって実際に差がつくことはあまりないですが、この局面における5800と11600の差はなおのこと大きいですね。ここも言ってみれば結果に差が出やすい勝負所ですので、細かい差であっても見落とさないようにもっと集中して打つべきでした。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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