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ネマタの戦術本レビュー第363回「「統計学」のマージャン戦術 著:みーにん その3」

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 テーマ4

 悪形の中でも特に待ちが悪いリーチをかけてしまい結果放銃してしまうのも、初心者や場況を見落としが多い打ち手にありがちなミスです。場に多く見えている牌は特に意識して確認するようにしましょう。
 アガリ牌の枚数が少ないほど残っている枚数がアガリ率に大きく影響しますが、比較的場に切られやすい牌はそれでも結構アガれることが表からうかがえます。場に切られにくい牌との比較だと1枚差を覆すこともよくあります。
 後は、「場に切られている」と、「自分で使っている」では、見た目枚数が同じでも、他家に使われにくい分前者の方がアガリ率で勝ることが考えられます。どの程度の差がつくかを判断するのは難しいですが、アガリ牌が残り2枚でも、2人が1枚ずつ切っていて少なくともその他家は持っていない可能性が高い場合はリーチ。自分で1枚使っているうえに、場に1枚切られた牌はリャンメン固定やシュンツが完成して切られた牌(切った他家が更にもう同じ牌を1枚持っている)の可能性が高い場合はダマ(あるいはテンパイ外し)といった場に応じた判断をすることもそれなりにありそうです。いずれにせよ、「先制悪形でも原則リーチ」とはいえ、悪形の扱いそのものには気を遣いたいところです。

 テーマ5

 これまでの基準はリーチすることでアガリ率が低下しやすい場合でした。基本的に、出やすい待ちほどリーチ寄りと言えます。出にくい待ちならむしろ牽制目当てでリーチという意見もよく聞きますが、真っ直ぐアガリに向かえば不要になる牌の方が多いのですから、出なさそうでも先制ダマは案外出アガリが期待できるものです。(もちろん、個別の状況において、ダマでも出やすさはほとんど変わらないと判断した場合はリーチも有ります。)
 字牌待ちはアガリやすいですから、1シャンテンでシャボやカンチャン同士の比較になれば、役牌はもちろん、テンパイ時にアガリやすい待ちが残るように客風トイツを残す方がよいでしょう。途中で待ちが枯れることはさほど気にすることはありません。ただし、2シャンテンからの比較であれば、テンパイ時に客風待ちが残らないことが多く、テンパイ以前にリャンメンに変化することも多いので、テンパイ時の待ちの強さよりはリャンメン変化が多いメンツ候補を残すように打つのがよいでしょう。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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