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ネマタの戦術本レビュー第364回「「統計学」のマージャン戦術 著:みーにん その4」

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 テーマ6

 字牌待ちが読まれやすそうな河になるとあまり出アガリは期待できないと思いがちですが、それでも他家にとって使いづらくその分山に残っていることが多いので、通常のカンチャン待ちとの比較ならやはり十分にアガリやすいと言えます。個人的には東家のダブ待ちは流石にアガリ率が落ちると思っていましたが、それでも意外とアガリ率は落ちないようです。
 序盤ほど安牌に窮した他家から字牌が出ることが多いのは確かですが、打点はメンゼンツモの1翻があるので他に打点差がなければそれでもリャンメン待ち有利と言えそうです。
 序盤で他家が字牌を処理している段階ならすぐアガれるからという理由で個人的には字牌待ちが有利になりやすいと考えていましたが、そもそも序盤リャンメン待ちなら他家が降りてもツモれることが多いもの。テンパイからアガリにまで何巡もかかると、途中でアガれるかどうか不安になり、打点が変わらなくても無意識のうちに何となく損をした気になってしまっていたかもしれません。

 テーマ7

 基本的にはここに取り上げられている通りの基準で、高打点悪形か低打点良形を決めますが、これまで取り上げてきたように、待ちが特に悪い、先制といえるか微妙、局収支の大小があまり関係ないといった理由で低打点良形を選ぶことはそれなりにありそうです。逆に基準以上に高打点悪形を優先するのは、運良く高打点でアガらなければ勝ち目がないほど負けているといった、「頻度が低いうえに、そうなった時は迷わず高打点側を選べる」ケースなので、実戦では「基準よりは低打点良形を選ぶ」ケースで正しく選べる方がどちらかと言えば重要です。
 待ちの悪さや着順を気にせず強引に高めを狙うというのも、初心者や、勝ち負けより楽しむことを重視する打ち手にありがちなので、勝つうえではそのようなミスは避けるべきですが、イメージが先行して必要以上にアガリ率を重視しないように注意したいですね。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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