第5章レッスン29 なぜプロは読みにこだわるのか?
特定の対戦相手と不確定要素の少ないルールで打つほど、読みの重要性が高まると言えます。
それもプロ雀士に読みにこだわる打ち手が多い事の理由なのは確かですが、個人的にはそれ以上に、技術で上回って相手に勝つことが求められたというのが大きいと思っています。
麻雀は非公開情報がある以上、実力者が常勝する類のゲームではありません。勝敗にあまりこだわらず運要素を楽しむ打ち手にとっては、非公開情報は見えなくていいものであり、見えないからこそ楽しいものかもしれません。しかし、プロに限らず勝敗にこだわらなければならない立場になったらどうでしょう。もし非公開情報を見ることが出来て、そこに介入することが可能だとすれば大きなアドバンテージになります。勝つことが求められる打ち手ほど、非公開情報は見ようとしなければならないものになるのです。
しかしながら、抽選に介入することは不可能(鳴くとツモ順自体は変わるので、正確には「介入したところで結果を予測することは不可能」)ですし、抽選だけでなく他家の選択にも不確定要素がある以上、他家の手牌を完全に読み切ることも不可能です。そのことを踏まえたうえで、「何としてでも読もう」でもなく、「読んでも仕方無い」でもなく、「読めるとしたら何があるか」「読めるとするならどう判断を変えるべきか」というスタンスで実戦に臨みたいものです。
レッスン30 する読みよりもしない読み
「◯◯待ちである読み」より「◯◯待ちでない読み」が、「◯◯が使われている読み」より「◯◯が使われていない読み」が信用できるように、人読みについても、「◯◯する読み」より「◯◯しない読み」が信用できると言えます。打牌選択にこだわりを持つことは、他家に読まれやすくなるという観点からも勝つためには得策とは言えません。
しかし、手牌、局面に応じて有力な打牌は変わるものですから、「同じように打っていたら他家に読まれるかも」と気にすることはありません。同じ条件なら同じように打ち、手牌や局面に応じて打牌を変え、余裕があれば他家の打ち筋まで考慮したうえで打牌を決める、「何でもする」打ち手を目指しましょう。
本記事に関するご紹介
「これはどうしても優劣がつかないときだけ使う読み」といった、実戦的な判断まで考慮した内容になっています。
AMAZON販売ページ