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ネマタの戦術本レビュー第589回「麻雀AI戦術 著:水上直紀  その29」

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Q61

 鳴いて高め満貫安め3900、メンゼンでもが入れば満貫止まりになることが多い完全1シャンテン。これなら明確に鳴き有利でしょう。類似の牌姿でどのあたりに鳴きの分岐点があるかについては、『現代麻雀最新セオリー』も御参照下さい。

 チーの現時点の放銃率は0%(場況が指定されていないので)、流局率は5.2%(異様に高いうえに合計が100%にならないので)の誤植と思われます。

Q62

 鳴くと1000点テンパイ、12巡目でリーチタンヤオなら和了平均点は4800点程度、メンタンピンなら6300点程度と考えると、和了率が半分になる程度なら、他家にアガられた場合の失点を考慮してもまだスルーの方がよいようにも見えます。

 しかし、今回はテンパイの可能性が高い下家は親で役牌2フーロ。ドラも切っておりホンイツやトイトイで12000のケースも少なくありません。「テンパイ濃厚だけどほぼ低打点」であれば、アガリ逃しても問題ないとみてスルーして1シャンテンを維持する手も考えられますが、今回は親のアガリを阻止するためにもテンパイに取るべきでしょう。

Q63

 Q62に比べれば下家のテンパイ率が低く、高打点の可能性が高いとも言えません。場況無しならはっきりスルーすべき手なので、ここでもスルーします。前問と合わせると、「鳴きが入ったら速度を合わせる」もケースバイケースであることがよく分かります。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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