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Mリーガー列伝(5):松本吉弘(ABEMAS)

Mリーガー列伝(5):松本吉弘(ABEMAS)

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新世代の台頭。これはどの世界においても必ず訪れる。
将棋では長く続いた「羽生世代」から、藤井聡太七段を筆頭とする新世代の大活躍について知らない人はいない、と言っても過言ではないだろう。

麻雀界ではなかなか20代のスタープレイヤーが誕生しない。
システム面の問題や、複雑なゲーム性からくる経験値の重要さなど様々な要因があるだろう。

しかし、真のスタープレイヤーには些細な事だったのかもしれない。
麻雀界が生んだ「新世代」松本吉弘プロの軌跡を紹介したいと思います。

◆松本 吉弘(まつもとよしひろ)
◆生年月日:1992年5月3日(27歳)
◆出身地:神奈川県横浜市
◆血液型:O型
◆所属チーム:渋谷ABEMAS
◆所属プロ団体:日本プロ麻雀協会
◆趣味:自分探し
◆主な獲得タイトル:第25期發王位
◆Twitter:@yoshihiro_npm

野球少年から麻雀プロの道へ

野球好きの父と兄の影響もあり、幼稚園から野球少年として育った松本。横浜にある中高一貫の進学校でも野球部に所属していました。

野球一筋だった松本が麻雀を覚えたのは中学3年生のころ。当初は暇つぶしのゲームとして先輩と遊ぶ程度で、学業と部活動の両立を続けます。

高校の野球部を引退したタイミングで本格的に麻雀をやり始め、いつしか野球以上に熱中するようになりました。

先輩からプロ雀士の存在を聞き、かつてプロ野球選手に憧れたように、麻雀プロの世界を夢見るようになります。

高校卒業後、現役で青山学院大学へと進学し、横浜の大手麻雀店でアルバイトを始めた松本は、このお店の社長が日本プロ麻雀協会の五十嵐毅代表と懇意だったことから、日本プロ麻雀協会への受験を勧められ、麻雀プロの世界に飛び込むこととなりました。

 

プロ入り後、順調に昇級を重ねた松本に訪れた最初の選択は就職でした。

大手不動産会社からも内定を受けていましたが、土日休みでなく対局に影響が出るため辞退。麻雀プロ活動を応援してくれた商社への就職を決めました。

人生をかけた選択が功を奏し、さらに昇級を続けB2リーグに辿り着いたところで更なる選択が。

父の経営する会社の会計を務める会計事務所の要職の方が亡くなってしまったのです。

元々父に認められたい、父の経営する会社に携わりたいという気持ちを持っていた松本は、簿記2級の資格を生かしてこの会計事務所への転職を決めました。

 

チャンスを生かして「新世代」を代表するプロに

仕事で大きな選択をしたこの年、松本にとって飛躍の一年となりました。

まず所属するB2リーグを5位で終え、ストレートでのB1リーグ昇級を決めます。

さらに若手プロ有志(※1)により「麻雀プロによる麻雀プロの為の研鑽の場」として開催されていたTwinCupの第9回大会で見事優勝を果たします。

TwinCupは各団体のトッププロも参加し決勝は生放送された

この大会の優勝者には各種公式戦のシードが与えられます。このシードがさらなる飛躍につながることになりました。

2017年、年明け早々に行われた第25期發王戦。

TwinCup優勝でこの本選シードを獲得した松本は、並み居る強豪を押しのけて決勝に進出。

決勝では赤坂ドリブンズ村上淳とのマッチレースを制し、初めてのBIGタイトルを獲得しました。

最高位戦就位祝賀パーティーにて表彰される

当時20代前半の松本は、この一年間の大活躍で完全に「新世代」としての地位を確立します。

その活躍が認められ、一握りのトッププロしか出場できないRTDリーグへの出場も決めました。

トッププロとの対戦でさらに成長し、知名度も大きく上げることになった松本は、その勢いのまま、渋谷ABEMASから3位指名を獲得するに至りました。

 

数多のトッププレイヤーの思考に触れてきた新たな世代

そんな松本の活躍には、独自の考え方の影響が強く感じられました。

麻雀プロという業界を一つの会社として捉えているというのです。

業績を上げれば出世するということを、実績を上げることが活躍の場につながることに置き換え、同じ実績でも普段の行動が判断材料になるということを強く意識して活動してきたのです。

当たり前のことかもしれませんが、その高い意識からくる日常の積み重ねが、勝った時に麻雀プロに祝われるプレイヤーになりたいという事を現実に変えました。

その高い意識は麻雀にも表れています。

麻雀の放送が日常的にみられるようになってきた今日ですが、既存の麻雀プロの多くは、その前から麻雀のベースが固まっています。

それらの影響を受けず、純粋にトッププレイヤーの様々な思考に触れてきた最初の世代、というのが松本の認識です。

よく特徴がない雀風と言われるそうですが、何でも出来るようになるのが理想と語る松本にとっては最高の誉め言葉かもしれませんね。

1年前のRTDリーグの自分の麻雀を観て今との違いに驚いた、またこの一年で見えるものが全く変わったと語る松本。

来期のMリーグでどんな姿を見せてくれるのかが楽しみですね。

Mリーグ2019へ向けてさらに進化し続ける松本 ©AbemaTV

 

※1 TwinCup 日本プロ麻雀協会所属の武中兄弟を中心に、最高位戦の園田や坂本大志などが創設。最高位戦・協会・μ・RMU所属選手や一般の有力選手が多数出場していた。第9回は100名以上が参加。

松本吉弘 年表
年齢 主な出来事
1992 0歳 神奈川県横浜市生まれ
2005 13歳 浅野中学・高校に進学
2011 19歳 青山学院大学に進学
2013 21歳 日本プロ麻雀協会に入会(第12期後期)
2015 23歳 商社に就職
2016 24歳 会計事務所に転職
    ストレートでB1リーグに昇級
    第9回TwinCupで優勝
2017 25歳 第25期發王戦で優勝
2018 26歳 RTDリーグ2018に出場
 

 

Mリーグが発足し、渋谷ABEMASに3位指名される
2019 26歳 Mリーグ初年度はチーム3位でシーズンを終える

松本吉弘の思考を動画「麻雀の匠」Youtubeで公開中!

著書

『初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀』(2019年 マイナビ)

現在麻雀界はMリーグの開幕で活況を呈しています。トッププレイヤーによる真剣勝負をリアルタイムで観戦できるのは麻雀ファンとしても興味の尽きないところです。そんなMリーグに最年少で参加しているのが日本プロ麻雀協会所属の松本吉弘プロ。第9回 TwinCup優勝、第25期 發王戦優勝などの勢いを買われ、サイバーエージェントがオーナーを務める「渋谷ABEMAS」に大抜擢されました。 元高校球児で強面。その容貌から「卓上のヒットマン」の愛称でファンに知られている松本プロですが、麻雀の腕も一級品。その場の状況に応じて様々なスタイルを使い分ける「ベストバランス麻雀」を身上としてMリーグでも活躍しています。本書は手順、読み、大局観、ゲーム回し、押し引きといった麻雀で勝つための重要事項をテーマに、松本プロが自身の戦術を初披露した、ファン注目の一冊です。

この記事のライター

最高位戦日本プロ麻雀協会浅井 裕介
最高位戦日本プロ麻雀協会所属。
入会10年負け続けたが、近年圧倒的な速度で勝ちを積み重ねている売り出し中の選手。
立会人を呼び続け、ついたキャッチフレーズは「日本一キレやすいプロ雀士」。

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