現麻本講座32「被先制時のリーチ判断」の補足に入ります。
基本的に、メンゼンで「押し有利」な手をテンパイしたらダマよりはリーチ有利
先制リーチの強さ(と、従来の戦術論でリーチが軽視されてきた理由)については第3回で申しました通りですが、被先制の場合も、メンゼンでテンパイして押した方がよいのであれば、基本はダマにするよりは追っかけリーチを打つべきです。
確かに、他家にテンパイされている時点で、放銃のリスクが高くなるだけでなく自分のアガリ率も下がるので、先制時に比べればリーチの優位性は減ります。
しかし、麻雀はあくまで比較のゲーム。ダマ寄りの要素があったとしても、「それでもリーチがまだ有利」であるならリーチすべきです。
但し、第173回でも申しましたように、一定の条件下でリーチ有利という結論が出ても、それが必ずしも個別の局面で適用できるとは限りません。
「人の感覚にはどうしてもズレがあり、経験則から語るには限界があるということ。」「統計的データは個別の状況に対する答えを出すまでには至らないこと。」
両方を意識したうえで、リーチ判断について考えていくことにします。
手作りはアガリに近い段階ほど重要で、他家の攻撃が入っている段階ほど、「一打の価値」が高いのですから、被先制時にこちらもテンパイした場合に正しく判断できるかどうかは戦績に非常に大きい影響を与えます。
しかし、現麻本は第161回でも申しましたように、麻雀で勝つうえで必要になる知識を一通り網羅するやり方で戦術論をまとめているため、重要度は低いが解説するとなるとどうしても細かくなるものは分量が多くなり、重要度は高いが結論自体は容易にまとめられるものについてのは分量が少なくなってしまいました。そのため、こちらでは次回以降、先制時も含め、改めてリーチ判断について掘り下げていくこととします。
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