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ネマタの戦術本レビュー第166回「フリー麻雀で食う 上級雀ゴロゼミ 著:雀ゴロK その16」

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二限目 講座15

 アガれるのにアガらないケースは、安目が出たけれどもアガらずに高目狙いか、高打点になる手変わりが非常に豊富にあるケースのどちらかですが、リャンメンテンパイだけど高目でしかアガらないということは実質悪形テンパイ、手変わりを待つケースは実質1シャンテンですから、アガリ率は高くても50%を大きく超えるところまではいきません。

 アガリを宣言していればアガリ率100%なのですから、アガリ逃しの失点も考慮すると、打点が倍になる程度で見逃しをするのは分が悪いということになります。

 よって、見逃すとすれば、安め2翻以下で高めが安めより2翻以上高い、あるいは手変わりすることで2翻以上高くなる手変わりが非常に豊富といったケースに限られることになります。

 見逃して手変わり豊富となるとほぼ単騎待ち限定、2翻以上高くなる例は図A、図Bのようなホンイツ移行か、図Cのような仮テンダマからリーチ+αがある場合が考えられます。これらは手変わりした時に多メンチャンになるケースもあるので、他家に高打点の可能性が高い仕掛けが入っている場合や、すぐリーチがかかりそうな河になっているというのでもなければ、局収支では明確に見逃しが有利になります。

 図Dのような手はそもそも即リーチを打ちますが、何らかの理由でダマにしていた場合、が出た場合は見逃し、次巡ツモ切りリーチとします。その場合は待ちが盲点になるので出アガリしやすいというメリットもあるので、それならダマもあるのではという意見もあるかもしれませんが、少なくとも一発裏に祝儀がある収支戦で考えることではないでしょう。

   ドラ 

 このように鳴き手で安め2翻高め4翻の手であれば、は出ても見逃します。こちらは「科学する麻雀」でも取り上げられた牌姿ですが、そちらではが出た同巡に上家からが出た場合はチーして単騎待ちに受けるとありますが、フリテンを解消してもヤオ九牌単騎にならなければ4翻手にはならないのでスルーします。

  東場東家

 このような手牌でを見逃した同巡にが出た場合はポンして打とします。今回は鳴けばどの単騎待ちであがっても4翻以上になるためです。(「科学する麻雀」の記述はおそらくこのように鳴いて4翻が確定するケースを想定していたものと思われます)

 単騎待ちにはチートイツのケースもあります。「科学する麻雀」では、序盤でチートイツをテンパイし手変わりを待ってダマにしていた場合はアガリ牌が出ても見逃しとあります。字牌待ち等への手変わりはあるとはいえ多メンチャンへの変化は無く、リーチで打点が上がるとはいえ他にはドラ引きくらいしか打点的手変わりが無いので、図Cのような手牌に比べれば見逃しの優位性は低くなります。中盤以降ならアガった方が有利になるので、この辺りが見逃しするかどうかの境界線と言えそうです。

 ツモ ドラ

 現麻本でこの手牌から序盤なら打としてフリテンリーチすると書きましたが、3メンチャンとはいえフリテンなら出アガリがきくリャンメンよりはアガリにくい、ツモ平和の4翻だと満貫に届かないという点から、本書の手牌に比べればやはり見逃しの優位性は低くなります。見逃しはリスクの高い選択ですので、有利かどうか微妙なケースではなおのこと場況をよく確認したうえで判断することを心がけましょう。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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