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ネマタの戦術本レビュー第167回「フリー麻雀で食う 上級雀ゴロゼミ 著:雀ゴロK その17」

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二限目 講座16

 こちらのコラムでも再度申し上げておりますが、一貫性が必要なのは「打牌基準」に対してです。打牌基準は手牌や局面によって変わり得ますから、局面に応じて対応を変える柔軟性こそ実戦では必要になると言えます。

 しかし、その局面に相応しい柔軟な選択をするためには、土台となる正しい打牌基準が必要であることもまた事実です。土台がしっかりしてない段階で柔軟に対応しようとするとなおのことミスが増えます。昔は今ほど打牌基準が明確になっておらず、基準通りに打つという考え方自体浸透していなかったので、一貫性の無い選択が誤打であることも多く、そしてその誤打の理由が、打牌基準のズレではなく一貫性の無さに求められたのではないでしょうか。
 
 例えば講座15の図A、をツモってもアガらずに打としてホンイツを目指すとしましたが、もしこのテンパイ形に取ったときに切り出した牌がなのであれば、そもそもを残し打として最大限手変わりをみる選択が有力です。

 を引いた場合ものみ手でアガるよりは単騎ホンイツテンパイの方がよいですし、他にソーズを引けば更に手変わりが増えます。これも再度申し上げておりますが、共通の受け(今回は)で比較してよりよい手になる方を選ぶというものです。

 打としてでアガらないのは確かに一貫性が無いとも言えますし、一貫性が無い故にミスをしたとも言えます。しかしこれはあくまで、「打牌基準に対する一貫性」が無いのが問題なだけです。仮に打としていたとしても、ツモならまだあがらずにホンイツを目指します。確かにを切っている分手変わりが減りますが、それでも判断が覆るほどではありません。

 このように、打牌基準に対しては確かに一貫性を持つべきです。しかし一貫性があるからといって正しいとは限らず、むしろ一貫して間違えていれば余計に損をするだけです。一貫性のある打牌基準を持つと言う事は、古くから使われる表現であれば手作りの構想を線で捉えるとでも言い換えられるでしょうか。

 打牌基準が確立していなければ、一貫性が無い故のミスをしがちです。しかしいざ実戦でミスをしてしまった場合は、ミスをミスと認めたうえで、あくまで現時点で最も有利な打牌が何かを考えるべきです。言い換えれば、打牌比較のうえでは、局面を線ではなく点で捉える必要があるというところでしょうか。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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