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ネマタの戦術本レビュー第170回「フリー麻雀で食う 上級雀ゴロゼミ 著:雀ゴロK その20」

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三限目 講座2

 面子手の1シャンテンは、2面子形(2面子1雀頭2面子候補)、ヘッドレス形(3面子0雀頭1または2面子候補)、くっつき形(3面子1雀頭0面子候補)の3つに分けられますが、面子や雀頭よりは面子候補の方ができやすいので、3つのうちでは2面子形が最も出現頻度が高いです。また、リャンメンはカンチャンやペンチャンより面子になりやすいので、1シャンテンの段階で悪形が残ることも多いです。

 前回はリャンメン×2の1シャンテンで降り有利でしたが、1シャンテンになった時点でリャンメン×2以上に優れた形になっていることはむしろ少ないもの、かといって悪形を嫌ってなるべくリャンメンテンパイにしようとこだわり過ぎると先制テンパイ率が減って損であることが分かっています。よって一般論としては、やはり多くの場合は1シャンテンから押すのは損な選択と言えるでしょう。

 逆に言えば、リャンメン×2(2面子形)以上にアガリやすい形であれば、1シャンテンでも押せる領域が増えます。前回、リャンメン×2程度の1シャンテンのアガリ率:放銃率の比が約1:1.4程度と申しましたが、これは1巡あたりのテンパイ率が10%、テンパイした場合は必ずリャンメンというケースを想定したデータを元にしています。これが1巡あたりのテンパイ率20%になると、約1.2:1程度にまでなります。

 今回のように良形テンパイだけで7種22枚(良形テンパイに限っても1巡あたりのテンパイ率が約20%)もあるくっつき1シャンテンなら、同程度かそれ以上にアガリやすいと言えます。打点もリーチで3翻以上が確定しているなら子の平均的なリーチ以上の打点が見込めるのですから、押すだけの十分な条件が揃っていると言えます。

 一般に良形の1シャンテンというと2面子形のリャンメン×2の1シャンテンを指すことが多く、今回のようなくっつき1シャンテンについては悪形テンパイになる場合もあるためか、良形の1シャンテンとはあまり呼ばれませんが、実際は後者の方が1シャンテンとしてのよほど価値が高くなります。

 「現麻本」でも1シャンテンの分類について取り上げましたが、1シャンテンの形を把握するのは手作りだけでなく押し引きのうえでも重要です。何となく手広いとか待ちが苦しいというだけで形を押さえている方は、どんな形であるかをより明確に区別する癖をつけることをお勧めします。

 今回はかなりテンパイしやすいくっつき1シャンテンでしたが、それでもカンチャンテンパイに比べればアガリ放銃比で劣ります。よってここから打8sとしてテンパイした場合は、途中で待ち牌が多く切られてかなり悪い待ちになってしまうということが起こらない限りは悪形でも追いかけリーチを打ちます。先制リーチが入っているので、なおのこと手変わりを待つ余裕がないので、後手で手変わりを待ってテンパイを外すことは少ないと言えます。

 もちろんこれはそもそも悪形テンパイで追っかけた方が有利なケースの話なので、悪形では押すには見合わないが、手変わりをすれば押せる手になるうえに、手変わりを目指した場合は通りやすい牌を切れるといった場合は別です。このあたりは回し打ちとして後の方で出てくるのでその時にまた取り上げます。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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