- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 分析12
メンツ候補をメンツにするのが通常の仕掛けですが、「食い延ばし」の仕掛けには87ページのようにメンツ候補を別のメンツ候補に変えるものと、88、89ページのように浮き牌部分をメンツ候補に変える仕掛けの2通りがあります。『勝つための現代麻雀技術論』では区別のために後者を「食いちぎり」と表現しました。
「食い延ばし」「食いちぎり(メンツ候補が足りている場合)」は鳴いてもシャンテン数が進まず、メンツ候補が足りていない場合の「食いちぎり」はシャンテン数が進むとはいえ、スルーしても何らかの浮き牌にくっつくだけで手が進むので通常の仕掛けよりは仕掛けるケースが減ります。メンゼンを崩してまで積極的に仕掛けるのは基準1にあるように鳴いて役有り3翻以上で鳴いた後で良形が残るケースというところ。2翻以下ならアガリやすさにはっきり差がつく、打点不要の局面、鳴かないとほぼアガリ目が無く、仕掛けることで放銃リスクを避けつつ加点が狙えるといった理由が無ければ基本スルーするところです。
この基準でいけば87、89ページは積極的に仕掛けていくことになりますが、88ページは鳴いて2翻止まり。2巡目で2メンツあるのでメンゼンでもテンパイしやすいとなると基本はスルーするところ。変則手なら中張牌が鳴きやすいとありますが、変則手傾向なら1巡目に発が選ばれることは少ないです。 どちらかと言えばの切り出しから不要な浮き牌が少ないアガリが近い手を想定されやすく、被ツモ失点が大きい親ということもあって速度を合わせたというのが実際のところだったように思います。
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