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ネマタの戦術本レビュー第901回「『初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀』著:松本吉弘 その4」

ネマタの戦術本レビュー第901回「『初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀』著:松本吉弘 その4」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

第一章 攻撃のベストバランス

04 手組みと安全牌

 完全1シャンテンから安牌を抱えるかどうかについては、『現代麻雀最新セオリー』にて基準が示されています。結論としては安牌残し寄りになっていますが、安牌残し側が有利になりやすい条件下での結果なので、実戦的には完全1シャンテンに受けることが多そうです。

 30ページの手牌は言うなれば「完全2シャンテン」。1シャンテンの時ほど受け入れを狭めてもアガリ率が下がりにくく、他家に先手を取られることも多いため、「ぶくぶく」より「スリム」を選ぶことも増えそうです。

 「安牌を抱えるメリット」は、「押し返しやすい手組を作る」ことにも通じます。以前は完全1シャンテンや、序盤でメンツ候補が足りてないので浮き牌へのくっつきでも手が進むといった、安牌を抱えない方が有利になりやすい手組を扱うことが多く、結論として「ぶくぶく」寄りの記述が多かったです。しかし実戦ではほぼ不要牌を安牌と取り替えることや、後手を踏んでも押し返す手順を残すために安牌を抱えることも多いもの。安牌残しに関してはセオリーが変わったというより、どのような手牌、局面に着目してきたかの違いと考えた方がよいでしょう。

 本書で取り上げられている安牌を残すかどうかの要素のうち、打点以外はいずれも場況依存のもの。それだけ手牌だけでは判断が難しく、場況を正しく把握することが重要になる分野であるとも言えます。手組に関する知識については昨今の戦術書で身につけることができますが、こちらはどうしても実戦経験が重要になるので、繰り返しになりますが、戦術本をよく読む習慣がある人ほど、その時間を少しでも実戦にあてて打ち込まれることをお勧めします。

初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀

新鋭Mリーガーによる待望の戦術書!

現在麻雀界はMリーグの開幕で活況を呈しています。トッププレイヤーによる真剣勝負をリアルタイムで観戦できるのは麻雀ファンとしても興味の尽きないところです。 そんなMリーグに最年少で参加しているのが日本プロ麻雀協会所属の松本吉弘プロ。第9回 TwinCup優勝、第25期 發王戦優勝などの勢いを買われ、サイバーエージェントがオーナーを務める「渋谷ABEMAS」に大抜擢されました。 元高校球児で強面。その容貌から「卓上のヒットマン」の愛称でファンに知られている松本プロですが、麻雀の腕も一級品。 その場の状況に応じて様々なスタイルを使い分ける「ベストバランス麻雀」を身上としてMリーグでも活躍しています。 本書は手順、読み、大局観、ゲーム回し、押し引きといった麻雀で勝つための重要事項をテーマに、松本プロが自身の戦術を初披露した、ファン注目の一冊です。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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