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ネマタの戦術本レビュー第902回「『初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀』著:松本吉弘 その5」

ネマタの戦術本レビュー第902回「『初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀』著:松本吉弘 その5」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

第一章 攻撃のベストバランス

05

 『麻雀の2択』に掲載されているデータによると、8巡目のチートイツ1シャンテンのアガリ率が11%。34ページの上の手牌はチートイツ1シャンテン(3種9枚でテンパイ)より受け入れが狭く、チートイツのようにアガリやすい単騎に受けることもできません。受け入れが増える変化も一応あるとはいえ、8巡目の手牌だとすればアガリ率は10%あればよいというところでしょうか。

 一方下の手牌は良形テンパイだけでも受け入れ枚数は45枚の1シャンテン。良形テンパイそのもののアガリ率には敵いませんが、カンチャンテンパイよりは明確にアガリやすい手。8巡目リーチのアガリ率がリャンメン57%、カンチャン(カン2待ち)43%(こちらも『麻雀の3択』参照)となると、その中間で50%程度はアガれそうです。

 打点が高い手や最終形が良い待ちになりそうな手牌ばかりが評価されていた頃は、シャンテン数に関する言及が少なく、損なシャンテン戻しを推奨する記述も多々見受けられました。手牌を正しく評価するうえでも、アガリに近い段階ではシャンテン数を意識しておく必要があります。しかし、あくまで手牌を評価する要素の一つなので、シャンテン数そのものにこだわることも避けねばなりません。

 シャンテン戻しをしてでも高打点、強い待ちを残すかどうかの目安は、1手進んだ時の形で判断します。例えば36ページの手牌であれば、1手進んだ時にカンでテンパイするよりは、34ページ下のような手広いうえにタンピンになるくっつき1シャンテンになった方がよいので、1手前のこの段階から打としてシャンテン戻しをするのがよいと判断できます。

 本書では最終形の強さでは中ぶくれ>4連形としていますが、個人的には3メンチャン受けが2種ある3456のような4連形であれば、最終形を強くしたい場合も4連形を優先しています。確かに356から1を引き、カンチャンテンパイに取るくらいならとツモ切ったところ2を引いてフリテンが残り結果的にアガれないという展開になる場合もありますが、先に27を引いて3メンチャンテンパイが残る可能性の方が高い以上、トータルではやはり4連形を残した方がアガリやすいのではないでしょうか。

 37ページのような手牌でホンイツをみて字牌を残すかどうかも、1手進んだ時の形で判断します。を切ってソーズをツモり1シャンテンになった場合も、ホンイツをみては残すのでこの段階では残したいところ。しかしもドラそばかつ三色目もある強い浮き牌なので、ホンイツにならないようであればまだ引っ張るところ。よって、シャンテン戻しになりますが打が有力になります。

 38ページのような理想的なテンパイをイメージして一目で打を選んだ方も少なくないと思います。ただし、これらはどれも数手先の話。理想型にこだわり過ぎる勝ち味の薄い打ち方になってしまうのも、シャンテン数があまり意識されていなかった時代にはありがちでした。こだわるのはシャンテン数でも理想型でもなく、あくまでルールによって定められた勝利条件。そのためにも、単なる受け入れ枚数でも、数手先のイメージではなく、1手先の手牌を正しく評価することが重要になるのです。

初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀

新鋭Mリーガーによる待望の戦術書!

現在麻雀界はMリーグの開幕で活況を呈しています。トッププレイヤーによる真剣勝負をリアルタイムで観戦できるのは麻雀ファンとしても興味の尽きないところです。 そんなMリーグに最年少で参加しているのが日本プロ麻雀協会所属の松本吉弘プロ。第9回 TwinCup優勝、第25期 發王戦優勝などの勢いを買われ、サイバーエージェントがオーナーを務める「渋谷ABEMAS」に大抜擢されました。 元高校球児で強面。その容貌から「卓上のヒットマン」の愛称でファンに知られている松本プロですが、麻雀の腕も一級品。 その場の状況に応じて様々なスタイルを使い分ける「ベストバランス麻雀」を身上としてMリーグでも活躍しています。 本書は手順、読み、大局観、ゲーム回し、押し引きといった麻雀で勝つための重要事項をテーマに、松本プロが自身の戦術を初披露した、ファン注目の一冊です。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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