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ネマタの戦術本レビュー第920回「『初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀』著:松本吉弘 その23」

ネマタの戦術本レビュー第920回「『初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀』著:松本吉弘 その23」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

第二章

23

麻雀における非公開情報と言えば、山牌、他家の手牌、他家の打牌傾向(打ち筋)ですが、他家の打ち筋や心理を読むのは本書で言うところの「展開読み」にまとめることもできます。

麻雀における「読み」とは、公開情報から非公開情報を推測することと定義されます。非公開情報を正しく推測することができれば、それだけゲームを有利に運ぶことができます。

ただし、本書で示されている通り、読みはあくまで一つのファクターに過ぎません。そして、公開情報あってこその読みなので、優先順位としてはまず公開情報から直接読み取れる判断が先になります。

データを用いた麻雀研究が盛んになり始めた頃は、「読み」を軽視する風潮も強かったのですが、これは読みそのものが不要というより、従来の麻雀観に、読みの優先順位を見誤ったものが多々あったことに理由があります。非公開情報が自分にとってだけ公開情報になれば、麻雀においてこれほどのアドバンテージになるものも中々ありません。読みの技術が過大評価されていたのも、非公開情報があるゲームに携わる人の願望から来るものだったのではないでしょうか。

手組、押し引き同様、読みというのも細かい知識、技術の積み重ねに他なりません。そして、読みの技術を身につけるためには、手組、押し引きに関する知識が必須になります。麻雀の技術は独立しているのではなく、それぞれが深く関わっているので、そこことを踏まえたうえで、読みの知識、技術を身につけることを心掛けましょう。

初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀

新鋭Mリーガーによる待望の戦術書!

現在麻雀界はMリーグの開幕で活況を呈しています。トッププレイヤーによる真剣勝負をリアルタイムで観戦できるのは麻雀ファンとしても興味の尽きないところです。 そんなMリーグに最年少で参加しているのが日本プロ麻雀協会所属の松本吉弘プロ。第9回 TwinCup優勝、第25期 發王戦優勝などの勢いを買われ、サイバーエージェントがオーナーを務める「渋谷ABEMAS」に大抜擢されました。 元高校球児で強面。その容貌から「卓上のヒットマン」の愛称でファンに知られている松本プロですが、麻雀の腕も一級品。 その場の状況に応じて様々なスタイルを使い分ける「ベストバランス麻雀」を身上としてMリーグでも活躍しています。 本書は手順、読み、大局観、ゲーム回し、押し引きといった麻雀で勝つための重要事項をテーマに、松本プロが自身の戦術を初披露した、ファン注目の一冊です。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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