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ネマタの戦術本レビュー第1087回「『麻雀技術の教科書』編 その19 著:井出洋介・小林剛」

ネマタの戦術本レビュー第1087回「『麻雀技術の教科書』編 その19 著:井出洋介・小林剛」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

第3章 1シャンテン時の考え方

case29 受け入れが広い「くっつき1シャンテン」

アガリに近い段階ほど選択次第で結果に差がつきやすくなります。テンパイならそのままテンパイにとって、メンゼンならリーチをかけ、アガリ牌が出ればアガればよいことが多いことを踏まえると、最も選択が分かれやすく、なおかつ結果に差がつきやすくなるのは1シャンテンの時かもしれません。このような時ほど、ミスしないように集中して打ちたいものです。

牌姿1はくっつき1シャンテン、牌姿2は2メンツ1シャンテン。前者は浮き牌からターツ、あるいはアタマがコーツになればテンパイですが、後者はターツがメンツになった時のみテンパイ。メンツよりターツが出来やすいので、テンパイする受け入れ枚数は圧倒的に牌姿1の方が多くなります。

折角なので1シャンテンのもう1つのパターン。「アタマ無し(ヘッドレス)1シャンテン」についても取り上げておきましょう。ターツがメンツになるかアタマになればテンパイなので2メンツ1シャンテンより受け入れが多くなりやすいですが、アタマよりはターツが出来やすいのでくっつき1シャンテンよりは狭くなりやすいです。それぞれ5ブロックを示す数字で表せば、くっつき1シャンテンは「23331」。アタマ無し1シャンテンは「13332」。2メンツ1シャンテンは「23322」となります。

case30 孤立数牌のくっつき枚数を比較する

ケース2の内容と同じですね。逆に言えばケース2の優劣が成り立つのは、浮き牌からターツが出来るとシャンテンが進むケース。ターツが足りている場合の孤立数牌については、数牌を残すことによる強い手変わりがなければ、比較的安全な牌を残すように打つことになります。このあたりの判断を切り替えられるようにするためにも、5ブロックをどこで作るかを考えるのが重要になるのです。

case31 孤立字牌&数牌のくっつき枚数を比較する

「基本は孤立字牌から切る」とされるのはくっつき枚数にこれだけ差があるため。浮き牌にくっついてターツ、トイツが出来るとシャンテンが進む場合は、字牌<19牌<28牌<3〜7牌の順で切るのが基本になります。

しかし、浮き牌へのくっつきで手が進むならそれ以前の段階で字牌を切り飛ばしていくのが普通ですから、くっつき1シャンテンの段階で孤立役牌が残っているということは、他の字牌を処理しているうちに1シャンテンになったかなり巡目が早いケースです。その段階ならくっつき1シャンテンでも、19牌にくっついた悪形テンパイとアガリ率は大差ないとみて、役牌の1翻か、もう片方の数牌にくっついた平和、タンヤオでより高打点の手を狙える方がよいとみて19牌よりは孤立役牌を残しそうです。

具体例はこちら。序盤はくっつき形(ターツ不足)の3シャンテン程度になっていることが多いので、基本は孤立役牌を温存せずテンパイ優先で進めることを推奨しますが、例外は例外として押さえておきたいですね。

麻雀技術の教科書

読めば勝率が上がる! すべての雀士必携! 新しい麻雀戦術書!

麻雀の打ち方は人それぞれです。
本書の著者の二人を比べてみても、井出プロは手役重視、
小林プロはスピード重視と、スタイルがかなり違います。

打ち方が正反対の二人に共通する考え方があれば、
それは、現代麻雀のセオリーといえるのではないか。
この問いから、本書は生まれました。

「アガリ方の基本を1冊に」
「複雑な牌姿でも、迷わず打てるように」
というのが基本方針ですが、
ルールを覚えたばかりの人でも読めるように
丁寧に解説することを心がけました。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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