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ネマタの天鳳日記 第144回

ネマタの天鳳日記 第144回

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01

 前回、「タンヤオがつかないメンツ候補よりタンヤオがつく浮き牌」と申しましたが、唯一の単独トイツを落とす場合は判断が変わる場合があります。
 唯一の単独トイツとは、トイツが他に無いのでそこを雀頭にする必要がある場合、あるいは残りのトイツ部分がいずれものように3枚以上からなるメンツ候補になっている場合の雀頭候補を指します。上図の手牌から他に中張牌の浮き牌を引いたとしても打とはしません。58m69pツモでリャンメンテンパイを逃すことになるので、リャンメンを外すよりもメンゼンでのアガリ率を落とすことになるためです。
 同じようでもピンズ部分が6pなら中張牌引きで打とすることが多いです。その場合もカンチャンを外すよりはアガリ率低下が大きいですが、その程度ならタンヤオで打点を上乗せするメリットが勝るためです。

 メンツ候補としてのトイツも、雀頭候補としてのトイツも、形のうえでも名前のうえでも同じなので言葉で説明するとややこしいですが、今回も、「共通の受け」であるを引いた場合を考えると分かりやすい。カンチャンやシャボのリーチドラ1テンパイよりはメンタンドラ1のくっつき1シャンテンがよりよい手だけど、リャンメンリーチドラ1テンパイの方がもっとよいということです。

02

 ツモ。のアンカンが無ければ、打でタンヤオにするよりはダブルリャンメンのを外します。ここも共通の受け入れツモを比較。リーチドラ1リャンメンテンパイとリーチタンヤオドラ1シャボテンパイなら基本は前者有利。打なら仕掛けもききますが、メンゼン1シャンテンなら安手になる鳴きよりはメンゼンでリーチを打つことを優先します。
 今回はがカンされたので落とし。ツモのドラ1高めイーペーコーテンパイはもちろん、ツモでもドラ1ツモり三暗刻テンパイなので、
しか待ちが無いタンヤオドラ1テンパイに勝ります。

03

 …と思ったら満貫手に放銃。ベタ降りするほどではないとはいえ、456牌が手出しで2種切られているなら序盤2フーロでテンパイも珍しくはないので、同じ1シャンテンならを落とした方がよかったかもしれません。

04

 次局は3巡目にしてドラ2のヘッドレス1シャンテン。ツモで北単騎リーチが打てる方がよいので北を残しますが、22334+6ではなく、22+33+46とみれば2メンツ形1シャンテンでもあるので、引きでもテンパイするようにを残します。手牌を分類する時はメンツ>唯一の雀頭>メンツ候補の順で取り出して判断しますが、分け方が複数あるケースで一つのパターンしか見えていないと、シャンテンが進む受け入れや手役を見落とす要因になるので注意します。

 05

 北家から7700をアガりましたが、ラス目のまま南場に入ります。最近は東場で負けていることが多いので東南戦でよかったと思うことが多いですね(笑)次回に続きます。
 

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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