前回は、一年程度で急速に強くなった高校生の話をしましたが、2年前の天鳳大分オフでは麻雀を覚えてからわずか半年で鳳凰卓にまで登り詰めた方ともお会いしました。
下手で弱い人が、いきなり上手くて強い人になることはできないとよく言われます。しかし、(短期間で成長できるかとなると、本人の努力と才能が本人の置かれた環境と噛み合わなければ難しいと思いますが、)麻雀が上手くて強くなるためには、最早回り道は不要であると確信しています。
それでは、どうすれば麻雀が強くなるための「王道」を歩むことができるのか。申し上げにくいことを承知でお話しますと、少なくとも『勝つための現代麻雀技術論』を読み込むことではありません。何故なら半年間で鳳凰卓にまで登り詰めた方は、「難しくてよく分からなかった」と話されているからです(笑)
『勝つための現代麻雀技術論』は、サイト版「現代麻雀技術論」を書籍化するにあたって、麻雀における技術をより体系的なものにすることを目的としていました。「勝つための」とあるのは、原稿を書き終えた後で、出版社の意向で本のタイトルが決まったためです。もし最初の段階でタイトルが決まっていれば、勝つために重要になる技術を中心に取り上げ、瑣末な内容は割愛する方向で進めていたと思います。
そのような事情もあり、『もっと勝つための現代麻雀技術論』を麻雀ウォッチで掲載させていただきましたが、こちらもまだ体系化することにこだわり過ぎた感があり、体系化が難しい点数状況判断については中途半端な内容で終わってしまいました。「必ずしも正解にこだわるべきとは限らない」とコラム第25回で申しましたが、これは私自身への戒めでもあります。正解にこだわると、「正解を出しづらいが、結果には影響を与えやすい局面における判断」が疎かになりがちです。
麻雀が強くなるための「王道」を誰しもが歩めるように、今後は体系化にはあまりこだわらず、勝てるようになるための重要な考え方を少しばかりでも伝えていければと思います。