平成最後の天鳳オフで参加者の方から聞いたエピソードについてお話いたします。
Aさんは某雀荘チェーンでメンバーを始めたばかりの頃、天鳳は三段の腕前。そのような実力では当然負けが込む一方で、一時期はメンバーとしての成績が某チェーン全体で最も悪く、名実共に最弱の雀荘メンバーだったそうです。
そんなAさんも今では鳳凰卓常連の腕前。彼のことを知る誰もが驚き、それならば俺もと天鳳を始めた方も今回のオフ会に参加されていました。
各麻雀界から強豪が天鳳にこぞって参加するようになったことは以前取り上げましたが、強豪の打ち筋を学ぶことができる環境が整ったことも大きな収穫と言えるでしょう。「麻雀に才能は要らない。正しい打ち方を学べる環境さえあれば、後は麻雀を楽しむ心を持ち合わせているだけでも十分強くなれる。」私は以前からそのように思っておりましたが、改めてその認識を強めることでありました。
Bさんは天鳳オフの翌日から、GW休暇を利用して韓国のカジノに行こうとされるほどのギャンブル好き。しかし、Bさんは学生時代までは、ギャンブル関連のことが大嫌いで、麻雀も例外ではなかったそうです。
麻雀のイメージを改善しようという活動について、否定するつもりは毛頭ありません。ただ、麻雀に限らず、本当にのめり込む人というのは、イメージが良いからという理由で始める人ではなく、むしろ毛嫌いさえしていたものが、何かを契機として好きになっていくという、個々人の価値観が転換される経験をした人であるということを忘れてはならないように思ったことであります。
麻雀をその人の好みに合わせるのではなく、その人の価値観を変えさせるような、そのようなコンテンツを作ることが出来ればいいですね。
Cさんも天鳳鳳凰卓を経験されたプレイヤー。最近ではオンライン麻雀で実力を付けてから雀荘デビューをする人も増えたと聞きますが、Cさんはむしろ雀荘が先だったそうです。雀荘に足を運んだ初日、慣れない手つきで手を進めメンゼンでチンイツをテンパイしてリーチ。アガリ牌をツモって、何点の手なのか指折り数えていると、同卓していたおばちゃんが一言…「あら、それ九蓮宝燈じゃないの」。
九蓮のエピソードは以前も取り上げましたが、まさか雀荘デビューの初日にアガった人にお出会いするとはおもってもみませんでした。もしこの時同卓していたおばちゃんが九蓮に気付いていながら見てみぬ振りをしていたとしたら、Cさんがここまで麻雀にのめり込むことはなく、今回のオフ会で出会うこともなかったかもしれません。
麻雀は所詮ゲームだから、どんな結果も人生には何ら影響しないという意見を聞くこともありますが、麻雀を生業としている人はもちろん、あくまで趣味の一つとして関わっている人であっても、一番麻雀に打ち込めた時期に、対局中にどんな体験をしたかは、良きにせよ悪しきにせよ、やっぱりその後の人生に大きく影響するのではないかと思わされるのでありました。