年々点数計算のインフレ化が進んだ結果、役満の得点が四倍満になったのですが、こうなれば四倍満より上を作ろうという流れも起こります。第120回で、「五倍満」を取り上げましたが、昔遊んだことのある麻雀ゲームの中に、大四喜、九蓮宝燈、天和に関しては五倍満相当とするものがあったことを記憶しています。数え役満についても、四倍満より上のルールを採用する例があります。麻雀漫画になりますが、『天牌』では17翻で五倍満、『凌ぎの哲』では16翻で五倍満としている描写があります。
しかし、「新報知ルール」で最高点が四倍満と制定され、その前後に設立された麻雀団体でも同様のルールが採用されるようになったこともあってか、五倍満については現在採用されている例をほとんど見受けることはありません。
代わりに、ダブル役満(八倍満)以上の役を採用する例を見受けるようになりました。字一色大三元など、役満の複合を認めるルールは誰しも思いつくところですが、役満の中でも形に区別がある、四暗刻単騎待ち、国士無双13メン待ち、九蓮宝燈9メン待ち、大四喜をダブル役満扱いにするルールがあります。他の役もアガリ方次第でダブル扱いにするローカルルールが存在するようです。
雀荘では役満の複合以外でのダブル役満を認める例をほとんど聞きませんが、オンライン麻雀の元祖「東風荘」(1997年サービス開始)を始め、牌を積まない麻雀ゲームでは採用例を結構見受けます。私が遊んだことのある麻雀ソフトについても、東風荘以後に発売されているものでは採用されているものが多かったです。ルールとしていつ頃出回るようになったのか気になりますが、オンライン麻雀という形で多くの打ち手がこのルールで遊ぶことになったので有名になりました。