私のオンライン麻雀デビューは、2003年2月24日、大学の二次試験の前日に、ゲーセンで「麻雀格闘倶楽部」をプレイしたことだったという話を以前しましたが、その時一番衝撃的だったのは、オンラインで全国の麻雀打ちと対戦出来ることでも、赤ドラがあることでも、満貫以上のアガリに落雷の演出があることでもなく、流局時に親がテンパイでも流れる「アガリ連荘」だったことでした。(ちなみに「連荘」の対義語は、「輪荘」。最近麻雀を覚えたという方にとっては馴染みの薄い麻雀用語かもしれません。)
それまで私が遊んだことのある麻雀ソフトは、いずれもテンパイ連荘。いくつかのルールはオプションで変更することができるのですが、連荘に関するオプションは、「南場は流局時親がノーテンでも連荘」というルールの有無。赤ドラ有り、トビ有り、オーラス親のアガリやめ有り…この辺りの回転率を上げるルールは当時の麻雀ソフトでもオプションで採用されることが多かったのですが、流局時テンパイは連荘がデフォルトだったので、「テンパイでも親が流れる」という発想が全く無かったのです。
アガリ連荘が採用されるのも、卓の回転率を上げるためであることは容易に想像できます。当時の私は、回転率を上げて収益を増やすために新しく導入されたルールなのだと思っていました。
ところがこちらのサイトでは、「アガリ連荘」の方が歴史が古く、「テンパイ連荘」、あるいは「流局連荘」は、リーチ麻雀が主流になる過程で普及したルールであると説明されています。こちらでは昭和24年頃に連荘が普及したとありますが、ここでの連荘は今でいうところの「テンパイ連荘」の話で、連荘自体が無かった麻雀伝来期と、リーチ麻雀普及期の間は、「アガリ連荘」で遊ばれていたと考えれば辻褄が合います。
「アガリ連荘」から、「テンパイ連荘」が主流になった経緯は定かではありませんが、「二翻縛り」や「西入」同様、当時は対局時間が長引くルールの方がむしろ「射幸心をより刺激する」と考えられたためと思われます。確かに、麻雀において自分の親番が継続するのは嬉しいもの。私もいつも、親が来て、ずっと親だったらいいのにと思いながら麻雀しています(笑) 回転率重視のルールが採用されることが多くなる中、むしろ古くからあるルールであるにも関わらず、「アガリ連荘」の採用率がそれほどでもないというのは、それだけ親番が魅力的で、連荘からの逆転劇というドラマチックな展開を好む打ち手が多いということかもしれませんね。
個人的には前回も申し上げた通り、そもそも連荘が無いルールがもっと浸透してもよいと考えています。1戦を大切にじっくり打ちたいという気持ちも分かりますが、牌の組み合わせで点棒をやり取りするというだけで麻雀は十分過ぎるほど面白いゲーム。面白いゲームなら、何戦でも打てば良いじゃないかと思うのであります。