第12期雀竜位・斎藤俊プロ(日本プロ麻雀協会)によるプロ対局の寸評がスタート。今回は8月6日に行われた「女流雀王戦Cリーグ第5節」です。
女流雀王Cリーグ第5節(全4節+上位8名で1節)
女流Cリーグは半期リーグである。最終節は上位8名による昇級4枠をかけた戦いとなる。最終戦に着目して追っていこう。
最終戦前のスコアは下記の通り。
卓組 | 順位 | 氏名 | TOTAL |
---|---|---|---|
A | 1 | 鳥井 ゆう | 539.2 |
B | 2 | 大江 由希子 | 432.2 |
A | 3 | 華村 実代子 | 76.3 |
B | 4 | 有栖 麻理奈 | 72.1 |
B | 5 | 上野 あいみ | 70.2 |
A | 6 | 川又 静香 | 60.6 |
B | 7 | 水瀬 夏海 | ▲11.3 |
A | 8 | 朝水 柚菜 | ▲49.4 |
A卓では鳥井が、B卓では大江が事実上の昇級を確定させている。華村、有栖、上野、川又まではトップを取れば自動的に昇級。2着ならば卓内2位にはなっておきたいところ。水瀬も有栖、上野を捲ることを目指す。朝水は、自身がトップで華村をラス、川又を3着に沈めた上で少なくとも5万点以上が必須で、かつ別卓状況次第という厳しい状況。
A卓 大江-上野-水瀬-有栖
東1局
上野が平和三面張リーチをハイテイでツモ。
ツモ
東2局
有栖が大物手を炸裂させる。三色手替わりしてのリーチ。
ツモ
一発でをツモりあげ3000/6000。上野が親被りとなる。上野に手が入らないまま有栖が走る。親番で一人テンパイの後、2600オールと加点をする。
このアドバンテージを持った有栖と、淡々とヤミテンで局消化をする大江。水瀬も親番で粘るも、二人がかりで残りの局を潰されてしまい終局となった。
大江、有栖が昇級。
B卓 川又-華村-鳥井-朝水
東1局に鳥井がリーチをした。流局し鳥井の手牌がパタリと開かれる。
ここから一つの情報が拾える。鳥井は通過確定者であるが「本手でリーチを打つし、流しにかかるだけではない」と。また同卓者はもう一つの情報を得たかもしれない。直前に三が切られておりチーテンを取ることが出来ていたのに拒否したのだ。手出しツモ切り、そして最終ツモ牌の位置を確認できていればだが。手出しツモ切り以外にも、最後の牌を入れた場所は有用な情報源となることもある。少々ハードルは高いかもだが。。。
華村の1300/2600の後に、再び鳥井のリーチ。
端麗な容姿をよそに男前な麻雀である。
鳥井の猛攻を躱しながら華村が刻む。オーラス朝水の親を迎え以下のように。
川又 28200
華村 39100
鳥井 16200
朝水 16500
鳥井がとの二副露。
ポン
ドラも4枚見えて大三元もない。カン材でないソーズやピンズを切って放銃しても役牌暗刻、老頭牌が共に暗刻の単騎待ち3200が最大打点だが、華村は特に差し込みに回らず。まっすぐに進む朝水から鳥井が1000点を出上がりB卓も終局。鳥井、華村の昇級となった。
リード時、鳥井は攻め切るタイプ、華村は執拗な差し込みまではしないタイプ。大江はヤミテンにするタイプ。
勿論どれが正解などなく、それぞれのプレーヤー意志、倫理観の結果である。ただ競技麻雀はある程度限られたメンツで打つ。いつか同卓した時の参考に・・・と胸に刻み会場を後にしたのであった。
大江さん、有栖さん、鳥井さん、華村さん、昇級おめでとー!
順位 | 氏名 | 第5節 | TOTAL |
---|---|---|---|
1 | 鳥井 ゆう | 66.2 | 516.4 |
2 | 大江 由希子 | 115.6 | 412.5 |
3 | 華村 実代子 | 41.0 | 135.4 |
4 | 有栖 麻理奈 | ▲2.2 | 132.2 |
6 | 川又 静香 | ▲14.8 | 68.8 |
5 | 上野 あいみ | ▲32.8 | 27.9 |
7 | 水瀬 夏海 | ▲81.6 | ▲10.4 |
8 | 朝水 柚菜 | ▲92.4 | ▲93.9 |