局が始まり、4人全員が見られる初めての牌はドラ表示牌です。
ドラ表示牌がわかった瞬間に、「表示牌は、ドラは!」というように、心の中で指差し確認をしましょう。
配牌を並べていて見逃し、うっかり第一打からドラを切ってしまうことはよくあります。特に親のときは、「早く切らなきゃ」と思いがちですが、焦らず表示牌を見ましょう。
人気麻雀漫画の一つに、片山まさゆきさんの「打姫(うたひめ)オバカミーコ」があります。昨年には映画化もされた名作です。
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第9巻79話「ニューフェイス12」で、主人公の丘葉未唯子に、師匠の涙溜晴がドラの力を説明しています。
「三色や一通(メンゼン)は9枚でやっと2翻 ドラはたった2枚で(鳴いても)2翻 どんだけ効率いいんだよ ゲームバランスおかしくね?」
麻雀を知り尽くした片山先生が、「ゲームバランスおかしくね?」と書いている意味は大きいと感じます。実際、ある一局で、たまたま誰かにドラが多くあっただけで、その半荘全体の行方が左右されることもあります。
初心者が実力者相手に金星をあげる時も、ドラに恵まれるケースが多いですね。時に、ゲームを壊すように見えるほど、強いパワーを持っています。
それだけ強力なドラですが、きょう麻雀を始めた方にも、数十年打ち続けている上級者にも、同じ確率で平等に来てくれます。初心者にとっては、大変ありがたい味方なのです。
一方、ドラをうまく使えるかは、技術の差が出ます。
ポイントは、1枚でも多く活用できないか、常に意識することです。
例えば、次のような手の場合。
ツモ ドラ
マンズのイッツー(一気通貫)の可能性が出てきたので、は残したいですね。
孤立しているかを切りますが、を残しておくと、次にドラのを持ってくれば、ドラを使った形でテンパイできます。特にほかの要素がなければ、を切った方が有利です。
次に、このような形。
ドラ
は完成しており、意識から外れがちです。が、もしをツモれば、と入れかえましょう。さらにドラのを引いたときに、を切って、ドラを使えるからです。
また、既にドラがあるときは、極力、そのドラが出ていかない形を考えます。
例えば
ツモ ドラ
となったとします。かを切れば、イーシャンテンです。を切ると、こうです。
ドラ
ただ、次にを引くと、ドラのを切って、役もドラもないテンパイになってしまいます。最終形がのカンチャン待ちになりやすいのも、あまり嬉しくありません。
そこで、最初の形で、を切って、次のように、のリャンメンターツの形を決める手があります。
必ずドラを使うぜ!という強い意志を示すのです。
ドラ
シャンテン数は進まず、リャンシャンテンです。ただ、ドラが出ていくことはありません。次に、、を引ければ、のカンチャンターツを落としていけばOKです。かを引いても、それをアタマにできます。最終形をノベタン待ちか両面待ちにできるのも魅力です。
また、幸運に恵まれ、もう1枚ドラのを引けば、どうでしょう。
ドラがアタマのイーシャンテンにできます。
ドラ
こうなれば堂々の本手となり、他家から先制されても、押し返せる可能性が増えます。
一般に、「ドラを含むリャンメンターツを早めに固定すると、よいことが多い」と覚えておきましょう。
ドラが来るかは運ですが、うまく活用できるかは、実力が出ます。そのためにも、最初にドラを確認する習慣をつけて、活用方法を常に考えてみてください。
最近の全自動卓は、最初からドラ表示牌をめくってくれる卓も多いですが、そうでない時は、4人のうち誰かがめくります。自分が担当になった時は、他の3人がすぐにドラを確認できるよう、早めにめくってあげると喜ばれます。ドラによって第一打が変わることも多いため、表示牌を早く開示すると、ゲーム時間の短縮にもつながります。
さて、味方になると心強いドラですが、裏返せば、相手の手にあると厄介な存在です。次回は、守りの観点からドラを考えます。