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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第68回 あえて他家に振り込む場面(差し込み) 下

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第68回 あえて他家に振り込む場面(差し込み) 下

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先日、私が出ている最高位戦日本プロ麻雀協会のリーグ戦で、典型的な差し込みの場面がありました。

南4局のオーラスで、店数状況はおおよそこんな感じです。

東家(私)22000点
南家   49000点
西家   25000点
北家   24000点
(最高位戦ルールは3万点持ちなので、合計は12万点です)

南家が大きくリードし、他の3人が競っている展開です。
南家にとってベストなのは、自分がアガって加点しつつ、半荘を終えることですね。

大きくリードした時に手を緩めないことは、勝ち組の条件の一つです。
同じトップでも、30000点ぎりぎりのトップと、50000~60000点を超える大トップでは、価値がかなり違うからです。

ただ、都合良く自分に手が入るとは限りません。
それよりも嫌なのは、親に連荘されることですね。
上記の状態から親が跳満(6000点オール)をツモると、東家は40000点、南家は43000点となり、トップの座が怪しくなってしまいます。

防ぐためには、西家か北家にアガってもらうと良いわけです。
3人が接戦なので、西家も北家も、安い手で2着を確保しようとします。
幸い、西家は南家の下家なので、鳴いてもらいやすいですね。

西家はさっそく、中張牌をチー。
タンヤオの仕掛けと見て、南家は次々に真ん中の牌を切っていきます。

ただ、しばらくロンされないので、南家は少し考えて、まだ出ていない[白]を切り出し、1000点の差し込みに成功しました。西家は[白]バックの仕掛けだったのです。

親の私は、なんとしても連荘したいのですが、この間、南家と西家の連携プレーを眺めることしかできません。
北家は、最終局の親でこのような悲しい結末を迎えがちなので、そもそもオーラスを上記のような点差で迎えないような工夫が必要になります。

さて今回は、差し込む時に気をつけることを考えましょう。
前回でも紹介した、2022年4月1日のMリーグセミファイナリスリーズ第1試合場面を再掲します。
南4局、勝又選手は、近藤選手に差し込んで2着確保を狙っています。
ただ、3着の朝倉選手との差が10000点なので、跳満は振り込めません。
自分が3着に落ちて、順位点を20000点分失ってしまいます。さすがに馬鹿馬鹿しいですね。

ということで、近藤選手が跳満以上の可能性をさぐります。
[北]をポンしているので、リーチや一発、裏ドラは考えなくてよいですね。

跳満になるパターンの1つは、ドラを5つ持っている場合です。
ただ、ドラは[3]の4枚と、赤牌3枚の計7枚で、[3]は1枚自分が持っています。
残り6枚のうち5枚を、この時点で近藤選手が持っている可能性は、ほぼなさそうです。

他には、ホンイツとドラや他の役、例えばチャンタやイッツー(一気通貫)などが複合しているケースです。
ただ、ドラ色の[9][6]が早々に切られており、この可能性もなさそうです。

万一の可能性としては、[北]を鳴いているので、字一色や小四喜などの役満もありますが、第一打が[発]ですし、4人の河全体に普通に字牌が並んでいるので、これも心配ないでしょう。

消去法で可能性をつぶしていくと、近藤選手が高い手の恐れはほぼないため、安心して差し込むことができるのです。

では逆に、差し込まれたい人(上の図で近藤選手)にできることは、何でしょうか?
差し込む側は「高い手だったら嫌だな」と思っているので、「高くないので安心してください」と伝えてあげればいいのです。

最もわかりやすいアピールは、わざとドラを切ることですね。
上記の近藤選手は、もともとドラを持っていませんでしたが、もし手元にドラがあり、かつ切ってもアガリに向かえるときは検討の価値があります。

特に、点数がもっと競っているときは、「2000点までなら差し込めるが3900点は無理」というような微妙なケースもあります。差し込もうとする側は、懸命に点数を推測しようとしますから、「安いよ!」と伝える方法が何か一つでもないかを考えましょう。

なおこの際、口で「これ1000点で安いから振り込んでよ」などと言えれば楽ですが、このような発言は、気心知れた仲間内であってもマナー違反です。
麻雀は、目に見える情報から、他家の手牌や打点を推測することが重要なので、手の内容を直接言葉で伝えてしまうと身も蓋もなく、ゲーム性が壊れてしまいます。

また、「1000点だよ」と言ったにもかかわらず、実は自分でも気づいていない役があって高い手だったとしたら、もめ事になりかねません。

また、差し込みが決まると気持ちよいため、終わったあとに「いやあ、この牌が当たると思ったんだよね」「差し込んでくれると信じてましたよ」といった会話が交わされることがあります。このようなやりとりも、初対面の方と打つことが多いフリーの麻雀店などでは、特に気をつけた方がよいかもしれません。

実力者の間では、差し込みは当然の戦術と認識されていますが、とはいえ、2人のプレーヤーが露骨に協力するのは特殊な状況です。やられた方は面白くはないですし、人によっては「そこまでするんかい」と受け止めるかもしれません。そこで、成功した側がドヤ顔で発言していると、さらに不快になる恐れがありますよね。

このあたりは、卓を囲む方々の関係性などを踏まえながら、トラブルの種をなるべく減らし、楽しくプレーしていただくのが良いと思います。

次回は、ツモ切りリーチについて考えます。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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