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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第69回 ツモ切りリーチの理由を考えよう

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第69回 ツモ切りリーチの理由を考えよう

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頻度は多くないですが、ツモった牌をそのまま切ってリーチする場面があります。
ツモ切りリーチといい、俗に「モギリー」とも略されます。

ツモ切りリーチする人は、「既にテンパイしていたがリーチせずダマにしていた」わけですね。

現代の麻雀は、リーチの強さが知れ渡り、多くの方が「基本的にはリーチが有利。かつ、リーチすべき時は1巡でも早くした方が得」と知っています。リーチしないと、他の3人が自由に打って手が進むからです。中上級者と打つと、何となくダマテンにしているケースは、あまりありません。

ダマテンには、だいたい、次のような理由があります。

1   役やドラがなく、打点が低いから
2  カンチャン待ちやシャンポン待ちなど、待ちが良くなくて、良形への変化を待ちたいから
3   打点が高くなる変化の可能性があるから(ある牌をツモれば役がつくケース)
4   ドラが見えておらず、他家の反撃を警戒したいから(誰かがリーチやドラポンした時にオリられるようにしておく)
5    チンイツや国士無双などを仕上げている他家がいるから(危険牌をつかんだら撤退する)
6 打点よりアガリやすさを優先したいから(トップ目が南場で局を進めたい時や、終盤の接戦で1000点や2000点のアガリで順位があがる時)
7   ダマでも十分な打点があるから(跳満以上の時は、ダマのケースも多くなります)
8   特定の他家からアガリたいから(ライバルから直撃を狙う時など)

ツモ切りリーチをするのは、これらの要因に変化があったときです。

例えば、打点が低くてダマにしていた人は、誰かがカンしてカンドラが増えると、カンウラも期待できるので、リーチを考えます。

また、イマイチと思っていた待ちが、良くなった時も、リーチしたくなりますね。
例えば、[①][③]とあり、[②]のカンチャン待ちでテンパイした人が、ダマにしていたとしましょう。

その後、他家が[③]をポンしました。[③]は、全員の目から3枚見えたことになります。

ここでリーチをかけると、[③]のワンチャンスを頼りに、誰かが[②]を切ってくれるかもしれません。そう考えて、ツモ切りリーチをかけるシーンはしばしば見られます。

リーチを受けた側は、「[③]のポン後にツモ切りリーチということは、[①][②]を狙っているのかな?」と推測して、対策を立てます。

良い教材として、麻雀ウオッチの動画、魔神・渋川難波の雀力UP講座「ツモ切りリーチの考え方」があります。

ここでは、自分が[7]をポンした直後に、下家がツモ切りリーチをしてきたので、[8][9]を警戒する、という思考が解説されています。

また重要なのは、「[一][四]待ちや[①][④]待ちのような良いリャンメン待ちなら、普通はリーチする。しかし実際にはダマにしていたのだから、こういう待ちの可能性は低い」という読みが丁寧に解説されていることですね。つまり、ツモ切りであることによって、通しやすくなる牌も増えるのです。

Mリーグでは、2022年3月20日の第2試合で、ツモ切りリーチを巡る印象的な駆け引きがありました。
牌譜を紹介します。河の白色は手出し、黄色はツモ切りの牌です。
西家の勝又健志選手は7巡目、[発]を切ったところで、[②][⑤]待ちでテンパイしますが、ダマにします。

リャンメン待ちで、通常はリーチする人が多そうですが、レギュラーシーズンの終盤で、勝又選手はぜひトップを獲りたい場面でした。そのためには、トップ目の園田賢選手から直撃したい――。

すると、親の松本吉弘選手が[②]を切ってきました。
「ロン」といえば親を流せて、かつ自分の2着以上が見えてくるので、当たる人も多いでしょう。
が、勝又選手は見逃します。

そのうえで、次巡、[⑦]をツモ切りしてリーチします。
[⑦]は自分の手にあるので、ツモった[⑦]を手の中に入れ、元々持っていた方を切ってリーチすれば、手出しに見せることはできます。
※このような動作を空切り(からぎり)と呼びます。

ただ、そうはせず、あえてツモ切りリーチにしたんですね。
他家は「なぜツモ切りなんだ?」と考えます。これこそが、勝又選手の狙いです。
視点を変えて、園田選手から見た場面です。
リーチを受けた後にツモった[②]が通るか考えます。

「もしこれが当たるのならば、勝又選手は、直前の松本選手の[②]をスルーしたことになる。見逃せば、親の松本選手がアガッて、トップどころか3着に落ちる恐れもあるのに、見逃すだろうか?それに、そもそも[②][⑤]のリャンメン待ちなら最初からリーチするだろう。だから、[②]が当たることはほとんどない」

園田選手は[②]を切り、リーチ・タンヤオ・ピンフで3900点のアガリとなりました。
狙い通りトップ目に立った勝又選手は、そのまま逃げ切り、勝利をおさめます。

これは、トップ選手同士ならではの駆け引きで、お互いに「こうすれば、普通はこう考えるでしょう」という信頼があるからこそ成り立つ、読み合いの醍醐味を感じる一場面でした。

この試合の経過は、こちらのページでご覧ください。



Mリーグのように、ほぼ同じメンバーが長期間戦う舞台では、一度このような戦術を見せておくと、有利に働くことがあります。周囲が「あの人は何をしてくるか分からない」という印象を持ち、勝手に警戒してくれるからですね。

もし皆さんが、決まったメンバーで定期的に卓を囲まれているのであれば、たまにツモ切りリーチなどを活用し、引き出しの多さを見せるのも有効です。勝負事では、「この人はいつも同じパターンだな」と思われると対策を立てられますし、なめられてしまいます。

次回は、今回少し触れた「空切り」をご紹介します。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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