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小條薫はかく語りき「メガネは私の本体。最高のコンディションにするため、試合前日には休暇を与えてます。」【シンデレラファイト シーズン3 Best16 GroupA ♯2 担当記者・中島由矩】

小條薫はかく語りき「メガネは私の本体。最高のコンディションにするため、試合前日には休暇を与えてます。」【シンデレラファイト シーズン3 Best16 GroupA ♯2 担当記者・中島由矩】

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Q・自分の性格を一言で言うと?

A・粘り強いのび太

Q・あなたのチャームポイントは?

A・メガネ、もはや本体。

Q・子どもの頃の将来の夢は?

A・イギリス人

小條がテレて顔がブレたため、ランウェイを歩く姿の写真を入れることができない。観戦記に載せられるテイストのスクショが撮れなかった。赤い蝶ネクタイは、国民的少年探偵のアニメを模しているのだと言う。

小條薫は、そんなタイプのシンデレラなのだ。

アンケートはさらに、

Q・勝負の日のルーティンは?

A・最高のコンディションにするため、試合前日にはメガネに休暇を与えてます。

と続くから、もしかしたら昨日メガネは下のような状態で、小條の自宅にたたずんでいたのかもしれない。

このように、小條のアンケートを掘っていくと、それだけで一記事でき上がってしまいそうだ。幸いSemiFinalにも登場してもらえそうな運びになったので、この辺で麻雀の内容に入っていこう。

小條は東場の間、ずっと我慢していた。「リーチ」と言われたらオリ、「ツモ」と言われたら点棒を払う。

いわゆる「地蔵ラス」という言葉もチラついてきた南2局の親番で、とうとう小條のお眼鏡にかなう配牌がやってきたのだった。

■ラス目
■親番
■イーシャンテン

3つそろったら、これは暗カンだ。上に書いた3つの要素は、あくまでも一般論の域を出ないものの、今回の小條の場合はさらに、

■新ドラが1つ乗り
[中]・ドラドラが12000に打点アップ

という結果につながった。「新ドラはいつもひとつ!」というわけか。国民的少年探偵としては。そういうことなのか。そうなのか。

しかし、ライバルたちも黙ってはいない。

まずはトップ目のみあ。トップ目とは言え、同点で2着目の2人、成海有紗・鈴木桃子とはわずか1400点差で、ラス目の小條とも10400点差だ。このめくり合いを制して、一気にこの試合を突き抜けたい。

ここに、[発]を仕掛けた鈴木が両面待ちで追いつく。

[二][五]待ちの小條・[五][八]待ちのみあ・[④][⑦]待ちの鈴木、

2人の待ちが重なっているキー牌の[五]は、成海の手に渡り、

鈴木は、このラス牌の[五]を止めてオリを選択した。相変わらずピントがバッチリ合っている。ちなみに、鈴木がテンパイを維持し、これを河に放っていたとしたら、頭ハネでみあのアガリだったこともつけ加えておく。

アガリでも、放銃でもなかった鈴木。しかし、このゲームの命運は、確かに彼女が握っていた。麻雀には、4人で描く芸術作品という側面がある。

最後は、[7]を暗カンしたみあが[二]をつかみ、

小條が牌を倒す。[中]・ドラドラの3翻だが、[中]暗カンによるテンパネで12000の収入を得、ラス目から一躍トップ目に立つ。このリードを守り切って、小條薫はSemiFinal行き2枚目の切符を手にした。

相棒と、固い握手を交わす。

「次も頼むぞ。」と。

先述した通り小條への12000放銃が響いたものの、後半の巻き返しで2着に滑り込んだのは、みあ。

■リーチ判断
■鳴き判断
■押し引き

随所に高いレベルの麻雀を見せた7年目のシンデレラは、東3局1本場で腕を見せる。いや、魅せる。

まずは、[6]ポンから発進。南家のみあは、[南]バックの仕掛けを入れたと見ることもできる。

ホンイツに決めるなら、[中]を残して[③]のトイツ落としを急ぎたいところだが、トイトイを見て、いったん[中]から河に並べ、

[西]を暗刻にした後ツモ[5]を引き入れると、ここで改めてホンイツに向かう。素晴らしい手順だ。みあの麻雀には、確固たる意志があり、視聴者を引きつける。

みあは自風の[南]を鳴いて役をつけると、

ここでトップ目の親番・鈴木にテンパイが入る。

下家みあのソーズ仕掛けも気になるし、自身の手だけを見ても、両面待ちとシャンポン待ちを選択できる難しい局面で、

両面待ちに受けて、鈴木は力強くリーチを宣言した。

この宣言牌[3]を、みあがチーしてテンパイ。こちらも待ちが選べるところだったが、みあはこの5枚から暗刻の[西]を打ってカン[8]待ちを選択。

テンパネを捨て、見ようによってはわずかながら打点を下げる打ち方のようだが、この成海の手牌と河を見れば、[7]タンキにも[9]タンキにもアガリはないと分かる。神目線では、という注釈つきになるけれど…。

最後は注文通り[8]をツモって、1000・2000は1100・2100に供託1本も回収した。

Best32GroupD♯3では伸び伸びと打ち、54500点を集めてトップになった鈴木桃子だったが、このBest16GroupA♯2では、中盤以降みあに絡めとられてしまった印象だ。

それでも東1局0本場には、ペン[⑦]から引き入れて、気持ちのいいリーチを打ち、

テンパイを入れていた親番成海から[8]を打ち取って8000のアガリ。

2着になったみあとともに、「負けてなお強し」の印象を残した。

ラス脱落の憂き目に遭ったのは、Best32GroupC♯3を劇的勝利で勝ち上がってきた成海有紗。しかし、成海は大きな勝負所を制していて、このGroupA♯2のヒロインになってもいいくらいの存在感だった。

東4局0本場、まず鈴木から先制リーチを受ける。

その時の成海は、まったく間に合っていない状態だった。

しかし、ここから、ネガティブな自分を押し殺し、なんとか前向きに粘りながら進行していくと、

まずは1つ目の山場、[6][9]払いの選択を迫られる。鈴木の河には第1打・第2打に[3]が並んでおり、第4打・第5打に[6][7]とある。タンヤオもつけておきたい中、スジの[9]くらいは通しておきたいところだった。しかし、鈴木のリーチは[9][②]のシャンポン待ち。ドラドラ内蔵で打点は5200からだ。

成海はこの[9]を止めて、現物の[6]を打った。[⑦][⑦][⑧][⑧]の部分は、タンヤオのシャンポンとしてではなく、[⑥][⑨]の二度受けと考えられる。どうせツモ[⑨]を受け入れるのならタンヤオは不要、じっくり手を作って勝負どころは後半に、というわけだ。

しかし、一難去ってまた一難。小條から二軒目のリーチが飛んできた。待ちはノベタンの[②][⑤]だ。

ここまで来て、ようやく成海の手にツモ[六]が舞い降りる。東1局からずっと当たり牌をつかまされてきた成海にとって、千載一遇のチャンスだった。二軒に通っていない[五]を、蛮勇を奮って曲げる。決意の発声、

「リーチ。」

ずっとそっぽを向かれていた麻雀の神様に、この日成海が初めて抱きしめてもらえた瞬間だった。渾身で会心のツモ[⑥]。さらに、裏ドラ表示牌にも[⑥]が転がり、

リーチ・ツモ・ピンフ・ドラ・赤・裏2

3000・6000にリーチ棒2本を入れて、一躍トップ目に立つ。次の瞬間、画面に表示されている敗退確率は、54.9%から12.5%にまで下がっていた。♯3の卓につけるかもしれない。いや、♯2をトップ通過できるかもしれない。

しかし、そんな成海に、最後の試練が待っていた。

再びラス目で迎えた南4局0本場、成海は2000・4000ツモなら親番・みあを200点かわしてラス回避できる。しかし、ドラも赤もないタンヤオのテンパイ。どうする。

■打[⑧]の、[①][④][⑦]待ちは、自分の河に[①][④]が並んでいてフリテンだ。
■打[⑦]の、[②][⑤][⑧]待ちは、[赤⑤]が鈴木の副露に見えている。
■打[六]の、[⑥][⑨]待ちは、[⑨]でタンヤオが消える。

「すみません…。」と同卓者に詫びながら、この日1番の長考をした成海は、打[六]を選択し、[⑥][⑨]待ちに受けた。

Best32GroupC♯3では、一発ツモ裏1の条件を満たした成海だ。二夜連続の奇跡を起こす可能性は十分にあった。

しかし…

麻雀の神様がくれた細い細い1本の糸は…

裏目のツモ[②]ただ1つだけだった。この[②]、成海はどんな気持ちで河に放ったのだろう。

結局オーラスは、成海の一軒テンパイで流局。直撃条件のある鈴木・みあは、無理な勝負をしなかった。

同じキャンバスに夢を描いた同卓者たちに、通い慣れた思い出深い会場に、そしてルーキーイヤーから育ててもらっているこのシンデレラファイトという大会に、深々と頭(こうべ)を垂れ、成海有紗は踵(きびす)を返した。

Best16GroupA♯2で、トップを獲得した小條薫は、SemiFinalへと進む。インタビューでは、「実力というよりは、展開に恵まれた。」とはにかむが、ここまで来たら初のメガネっ娘シンデレラも現実味を帯びてくる。

2着のみあと、3着の鈴木桃子は、♯3へとコマを進める。2人とも麻雀が大好きで、なんならもう1回打てることを喜んでいるフシもあるくらいの怪物だ。

自身につきまとうネガティブな感情を振り切って、東4局0本場のめくり合いに競り勝った成海有紗は、ここまで。大舞台・強豪相手でも十分渡り合えるという自信を手に、この舞台を降りる。帰りの新幹線は、やっぱり辛いのだろうか。

一夜にしてニュースターを生む土壌、4年かけて頂を目指し精進したくなる魅力、その両方が、麻雀にはある。

それにしても、オーラスの裏ドラは何だったんだろう。

何だったんだろうなー、麻雀の神様ぁ。

Best16 GroupA Day5結果レポート

#1,#3観戦記

「今日は強気にいこうと思ったんです、私」【Best16 GroupA ♯1 担当記者・神尾美智子】

敗者の美学【シンデレラファイト シーズン3 Best16 GroupA ♯3 担当記者・坪川義昭】

公式HP

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