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CABOクィーンカップ
敗者の美学【シンデレラファイト シーズン3 Best16 GroupA ♯3 担当記者・坪川義昭】

敗者の美学【シンデレラファイト シーズン3 Best16 GroupA ♯3 担当記者・坪川義昭】

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東家:さくら美緒(日本プロ麻雀連盟) @sakura_miomio 
南家:鈴木桃子(日本プロ麻雀協会) @momokonyanko_ 
西家:みあ(日本プロ麻雀協会) @akaam3s2 
北家:朝比奈ゆり(日本プロ麻雀連盟) @yuri_asahina_ 

東2局

2000オールで微差ながらトップ目に立った鈴木桃子の心の中に少しだけ、守りたいという気持ちが芽生えた。

東2局2本場

ストレートに進行する鈴木桃子は、さくら美緒が仕掛けを入れている中でもきっと[北]を切り、仕掛けてテンパイを取るだろうと思っていた。

守りへの意識がそうさせているのか。
次に持ってくる危険牌でギブアップ。
内容の良し悪しではなく、『らしくない』という印象を受けた。

まだ東2局にして、微差のリードを持ったことでいつもの麻雀から遠ざかる。
慣れない綱を渡りながら必死にバランスを取り始めた。

なんとなく危ない。
そろそろテンパイかもしれない。
そんな気持ちと共に[2][5]が組み込まれた手牌はソッと伏せられた。

東3局3本場

積極的な進行を見せたのは朝比奈ゆりである。

3900点のテンパイを入れて全軍突撃の構えだ。

親のみあにも分岐点が訪れる。
残すカンチャンの選択だが、自身の河を利用して出アガリのできそうな待ちを作っていった。

満を持して[六]でリーチと出る。
これは是が非でも決めたい勝負手だ。

朝比奈ゆりが少考に入った。
選択肢は[白]を切って安全かつ現物待ちの3900点続行。
もしくは無筋の[七]を切って8000点での勝負。

人は考えれば考える程、ネガティブな思考に行き着く。
親リーチの一発目、安全牌を切って維持できるテンパイがあるにも関わらず朝比奈ゆりは[七]を叩き切った。
この局で決めるという痺れる一打である。

軍配はみあに上がり、6000オールで一人突き抜けることに成功。
アガれはしなかったものの、朝比奈ゆりもナイスファイトである。

東3局4本場

苦しい状況のさくら美緒が素晴らしい手順を披露する。
孤立の[八]に手をかけずにペンチャンを払いながら手牌を膨らませていく。

その手順に呼応するように手牌を伸びていく。

ピンフ、ドラのテンパイだが、既に[三]が枯れている。
まだ、時間に猶予はあるだろうか?

こんなテンパイを目指してきたわけじゃあない。手作りに一切の妥協を許さず納得いく形を追い求めいく。

追い求めてきたテンパイが遂に入った。
あとは山との勝負に挑む。
河からも絶好の待ちと見て取れる。

しかし、さくら美緒の手元にアガリ牌は舞い降りなかった。
あと何回、こんな勝負手が入ってくれるだろうか。観ているこっちも胸が締め付けられるような流局だ。

東4局5本場

鈴木桃子がドラの[北]を重ねた。
ここまでストレートな進行が多かったこともあり、[四]に手をかけるだろうなと観ていたところ、[九]の対子落としを入れる。
如何にも競技麻雀を長く打ってきた玄人好みな一打を披露した。
これには解説陣も驚愕。
アガリまでの一手、二手先を見据えられている。まだ、プロとして2年目の鈴木桃子が対局中に成長を遂げているのだ。

結果的には親の朝比奈ゆりに放銃となったが、新たな扉を開けた鈴木桃子が魅せたインパクトは大きかった。

南1局

鈴木桃子を追い抜きたい朝比奈ゆりが絶好のリーチを放つ。

この親番を落とすことは許されないさくら美緒は、当然無筋を叩き切るしかない。

粘りに粘って捲り合いに持ち込んだ。メンゼンで高打点を目指したくても枚数がそれを許してはくれない。

せめて流局さえしてくれれば…という淡い期待も届かず2000-4000の親被り。
これで、さくら美緒には足枷ができてしまった。


南4局1本場

チー。

アガれば勝ち上がりの鈴木桃子が声をかけたのは[三]だった。
これを焦りと捉えるかは人それぞれである。
絵さえ合えば勝利という状況が判断を複雑にさせてくる。
本当に欲しい牌はこれなのか、一回のツモを放棄する価値のある牌なのか。
もし手を伸ばしていれば、そこには[7]が眠っていた。

これを決め、次局伏せたい朝比奈ゆりが牌を横に曲げる。


全力でアガリに向かう為には[八]すら残す必要があり、放銃になったことは責められるプレーではない。

こうして鈴木桃子、さくら美緒の敗退が決まった。
しかし、二人の闘牌は賞賛に値する内容だったと誰もが思うだろう。

さくら美緒の負け方は美しい。
今発揮できる自分の麻雀を打ち切り、どんなに窮地に追い込まれても勝利へのルートを外さず闘い抜いた。
あと一牌届かなかったが、この大舞台に相応しい麻雀を魅せてくれたと思う。

鈴木桃子もしっかりとしたインパクトを残して会場を去った。
麻雀というのはすぐに成長を感じられる競技ではないにも関わらず、対局しながら自身の成長を披露し、強さと経験を手にした。
次、対局に出る鈴木桃子は更なる変化を魅せてくれるだろう。

誰もが勝利を願い闘い抜いている。
敗退した二人の気持ちを背負い朝比奈ゆり、みあがセミファイナルの舞台に登る。

Best16 GroupA Day5結果レポート

#1,#2観戦記

「今日は強気にいこうと思ったんです、私」【Best16 GroupA ♯1 担当記者・神尾美智子】

小條薫はかく語りき「メガネは私の本体。最高のコンディションにするため、試合前日には休暇を与えてます。」【シンデレラファイト シーズン3 Best16 GroupA ♯2 担当記者・中島由矩】

公式HP

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