こんにちは!赤坂ドリブンズの広報担当です!今日もドリブンズメンバーの思考を1分程度で読める記事にして紹介していきます!
第16回は、2月7日、試合終了後の風景から。
2月11日(月)のチーム最終日から遡ること4日。2月7日(金)の試合を終えたドリブンズは、大三元放銃を含む大量失点を喫し、ファイナル進出がわからなくなってきた。
試合後のクラブハウスでは出場した2人ともグッタリ。
漫画『スラムダンク』の翔陽戦後を彷彿とさせる満身創痍の風景だ。
この後、監督からすぐに伝達があった。
「11日は園田連闘でいく」
実は、最終日の園田連闘はこの時点ですでに決まっていたのである。
しかし、今日の失点はさすがにこたえた。園田もまだうまく消化できていないように見える。
そんな状態で、ドリブンズはいくつかある馴染みの居酒屋のうち1軒に入った。
なんとも重苦しい雰囲気の中、鈴木たろうが口を開く。
たろう「オレさあ、この状況って、絶対『オレに行かせてくれ』って思うタイプなんだよね。他人に任せておけないじゃん。負けたら絶対『オレに打たせないからだよ』って思うし」
当たり前だ。それぐらいでなければMリーグに選出などされないだろう。ところが、たろうが続けた言葉は意外なものだった。
たろう「だけど、賢ちゃんだけは、そうは思わないんだよ。安心して観てられる。オレが打つより安心感があるんだよね。だから、心から『頼んだ!』って言えるし、もし負けたとしてもしょうがないって納得できるんだよね。だから、任せた!賢ちゃんの好きにやってきて」
私はたろうと10年以上の付き合いになるが、我が強いたろうがこんなことを言うのは珍しい。いや、初めてかもしれない。
たろう「そうだね、確かにこんなこと思ったのは、この10年20年ぐらいで初めてだと思う」
それはつまり、現役の麻雀プロでは園田だけということではないか。
たろう「そういうことになるね」
すると、村上も続ける。
村上「オレもほんとそう思うよ。2年ぐらい前なら、まだ良い勝負できるかなと思ってたけど、今は自分が出るより期待値高いと思うから、もし負けたとしても、賢を出して負けたらしょうがないって心の底から思えるよ。だから、難しいかもしれないけど、オレたちに遠慮せず、賢の思うようにやってきて」
私は今、信じられない光景を見ている。
「あの」鈴木たろうと「あの」村上淳が、1人の麻雀プロに「任せた」と本心から言って、席を譲っているのである。
たろうと村上に「任せる」と言わせてしまったのは園田賢というノンタイトルの麻雀プロ。
思い返せばこれが、園田が真にエースとなった瞬間だったように思う。
シーズン開始前、監督の越山は言った。
「うちのチームは3人の実力差が極端に小さい。だから、誰を出しても期待値はほとんど変わらない」
いや、2018年内の試合を終えてもまだ同じようなことをインタビュー時に言っていた。
そして、同時に「この1戦で優勝が決まるとか、この1戦でファイナル進出が決まるとかっていうときに誰を出すかって、ほんと難しいよね。今から頭が痛い。どうやって決めるんだろう。決めらんないよね(苦笑)」と言っていた。
その越山が、準備していたかのように試合直後に最終日のオーダーを発表したのである。
それは、園田がエースだからだ。
そして・・・
園田は最終戦を渾身のラス回避でまとめ、結果待ちとはなるものの、ファイナルシリーズ進出に大きく前進した。
結果的にこのラス回避が、ファイナル進出を争うU-NEXTの翌日の最終戦に大きくのしかかり、ドリブンズが4位に生き残ることとなったのである。
さて、レギュラーシーズンの借りを返すときがやってきた。
ファイナルシリーズ、ドリブンズが3人で最強を証明する。
■赤坂ドリブンズが出場するMリーグ2018ファイナルシリーズは、3月2日よりAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定となっています。