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ネマタの戦術本レビュー第91回「傑作『何切る』300選 著:G・ウザク 編集:福地誠 その3」

ネマタの戦術本レビュー第91回「傑作『何切る』300選 著:G・ウザク 編集:福地誠 その3」

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Q16−18 多くの場合は、面子>雀頭>面子候補。1シャンテンの分類で言えば、くっつき>ヘッドレス>2面子です。
 Q17の例で言えば、となります。
 逆に、Q16ののように面子に取らず雀頭で扱う方がよりよい手になるケースは見逃しやすいので注意したいところです。

 Q18は打ツモのチートイツテンパイと打ツモなら、悪形リーチ25符4翻と良形リーチ30符2〜3翻の比較なので前者が若干有利。
 ツモは明確に打有利とはいえ打の場合は打でテンパイを外す選択もあり、ツモのタンピン変化もあるとなると、微妙なところではありますが、どの牌をツモるのも同様に確からしいという条件であればやはり打でしょうか。ピンズが場に安い、あるいはソーズが場に高いという理由で打とすることは十分に考えられます。
 打はその後のソーズのツモが全て無駄になるのが痛いというのは従来の何切る解説でもよく見られましたが、「三色を均等にツモることが多いから、三色満遍なく持つ方が受け入れのロスが少なくなる」という誤解を与える恐れがあるように見受けられます。
 あくまで、1回ごとにツモる確率が均等というだけであって、ツモの傾向が均等になりやすいというわけではありません。

 「三色満遍なくツモりやすい」という抽選に対する誤解の逆が、「同色の牌を多くツモったから次も同色牌を引きやすい」というものです。「同色牌を引きやすい」が正しいのであれば、その理由はあくまで他家がその色の牌をあまり使っていないからであり、たまたま「同色の牌を多くツモった」だけであれば、同色牌を引く確率はむしろ下がります。

○研ゼミでやった問題は、学校でもやっているはずじゃ…と、小学生の頃例の漫画を読んで突っ込みを入れていたことを思い出しましたが、この本で出てきた問題も、既に実戦で似たような問題が何度となく出現しているはずです。
 問題をカテゴリー分けすることで、「同じことをやっている」ということに気付けることが大事なのかもしれません。

 

Q19−21
 Q19も、くっつき(打)>ヘッドレス(打)>2面子(打)となる問題です。
 Q20に限らず、変化をみるために浮かせ打ちをする必要が無いのであれば、トイツを選択する場合は、トイツを落とし切った牌姿で比較するようにします。
 Q21はチートイツ1シャンテンを維持しても面子手1シャンテンになった場合に大差ないので、巡目が早くても打とします。「○○だから打A」という解説をよく見かけますが、実際は、「○○でなくても打A」であることが多いです。
 字数の限りもあるので難しいところですが、本来であれば、「○○でないとすると、打A以外の選択が有利」になるように、「○○」に相当する理由を挙げるべきではないでしょうか。

 

 「○○点」の打牌というのもよく聞く表現ですが、実際は、局面毎に得点配分が大きく違うのが麻雀です。
 特にネット麻雀は時間制限があるので、長い時間をかけてでも満点を取ることに拘りすぎると、得点配分が大きいところでミスして赤点になってしまう恐れもあります。
 「何切る」は将棋で言えば「詰将棋」みたいなもの。実戦で詰みがあっても、詰まさなくても勝てる手があるなら、その手はいわば80点の手、逆に詰まそうとして失敗して負けてしまえば0点。
 何切るも詰将棋も、「意味が無い」と批判的にとらえる方も一定数居ますが、「意味が無い」のではなく、手段に囚われすぎて目的を見失うのがよくないことなのですね。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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