システム8
2シャンテンとなるとほとんど降りた方がよいとうのは確かですが、2シャンテンということは、1手進めば1シャンテンです。序盤で通っている牌が少ないなら、無スジの放銃率も低いですし、降りを選んでも降り切れないことも増えます。そのうえで1手進んで1シャンテンになれば十分押せる手組になるのであれば、2シャンテンからでも押すことは考えられます。
54ページの例であれば、(2)なら1手進めば満貫の完全1シャンテンなので無スジを引いてもまだ勝負するところ。(1)はメンピンドラ1なので微妙ですが、通っている牌が少ないので切る牌が端寄りのとなるとまだ押し寄りというところでしょうか。本書で指摘されているように、リーチ者の河情報が多く、無スジの危険度が高い場合や良形率が高い場合は降りることになりそうです。
今回はメンツ候補が足りている2シャンテンでしたが、4連形や中ぶくれ形にくっつけば手が進む2シャンテンとなれば、序盤なら実質1シャンテンに近いとみてひとまずは自分の都合で押すということも増えそうです。2シャンテンだから一律オリと決めるのではなく、あくまで手牌の価値を考慮したうえで、押した場合と押さなかった場合の比較で判断するようにしましょう。
システム9
中盤以降となると1シャンテンでも無スジを勝負できる手牌は限られるので、2シャンテンから真っ直ぐ押せることはほとんどありません。ただし、安牌を切りつつテンパイできる手順があるなら残すに越したことはありません。危険牌が2枚以上浮かないうちはテンパイできるチャンスが残るということですから、基本は降りるとしても完全に手を崩す前にできることはないかを確認するようにしましょう。
逆に言えば、次どのようにメンツができて1シャンテンになったところで押すに見合う手にならないようであれば、テンパイの可能性は考えずにベタオリします。本書では思考停止でベタオリしてよいとありますが、考えないのはあくまでアガリやテンパイについての話なので、将来別の他家のテンパイが入った場合にも降りやすいように共通安牌を残すといったことは考慮に入れましょう。
オリ本 ~天鳳位が語る麻雀・守備の極意~
本書は第9代天鳳位であるしゅかつ氏が「オリ」について語った一冊です。とはいえ「相手から攻め込まれた瞬間」にどうやってオリるかを解説したものではありません。その前の段階や後の段階の技術(=大局観)を総合的に説明することで、押し引きを点ではなく線で捉えられるようになっています。それと同時に、「こんなケースでは思考停止でベタオリで良い」といった考えなくて良いケース、というのも説明しています(=システム化)。これらの大局観とシステム化の両輪によって本書はより汎用的なオリの技法を説いたものとなり、これまでの麻雀の守備戦術本とは一線を画す、ハイレベルな内容になっています。本書で現代麻雀の最高レベルの「可能な限り失点を防ぐ技術」を体得してください。
Kindle:1,497円
購入はこちら