先崎学九段は、近代将棋社主催「若獅子戦」やNHK主催「NHK杯テレビ将棋トーナメント」で優勝を飾っている、羽生世代と呼ばれる棋士の一人だ。その才覚は将棋の世界にとどまらず、文筆の世界や麻雀界でも活躍の場を広げている。著したエッセイや将棋の教則本は多数。ドラマ化、コミカライズされたものもある。また、将棋を題材にした人気漫画『3月のライオン』の監修を担当している。今回は、そんな先崎九段のプロフィールや麻雀界での活躍を紹介していこう。
目次
先崎学の基本情報・プロフィールデータ
打ち合わせでバタバタしてて写真忘れた‼️ pic.twitter.com/Dq8xha7sWn
— 先崎学 (@eEBY262FoqPInqV) March 30, 2021
名前 | 先崎 学(せんざき まなぶ) |
生年月日 | 1970年6月22日 |
職業 | 棋士(九段) |
出身地 | 青森県 |
趣味・特技 | ジグソーパズル |
本人公式SNS |
経歴
1987年:プロ棋士デビュー
1991年:第40回NHK杯戦にて棋戦初優勝。同い年の羽生善治(現竜王)を準決勝で破る
小学5年のときに米長邦雄永世棋聖門下で奨励会入会。入会から10か月後に2級まで昇級した。まだ小学生であった先崎九段は「天才」と持て囃された。
2017年7月にうつ病を発症し、慶応大学病院に入院。8月に日本将棋連盟を通して休場を発表。そして、1年間の闘病を経て2018年6月、順位戦で復帰を果たした。
先崎学の活動
先崎九段はエッセイストや作家としても広く活動している。『フフフの歩』(講談社)や『先崎学の浮いたり沈んだり』 (文春文庫)などのエッセイ、『脳をやわらかくする先崎学の子ども将棋』などの将棋の教則本を発表している。
2018年には、自身のうつ病との闘病経験を記したノンフィクション『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』を発表。2020年に『うつ病九段』のタイトルで安田顕主演でテレビドラマ化もされた。ギャンブル好きで麻雀にも造詣が深く、株式会社 囲碁将棋チャンネル主催の「第2回 囲碁・将棋チャンネル杯 麻雀王決定戦」にも出場している。
先崎学のおすすめ動画
一撃必殺!!先崎学の倍満ツモ!!【麻雀最強戦2013】
漫画家片山まさゆきや声優の植田佳奈、お笑い芸人のじゃいから予備校講師の林修まで、幅広い著名人が卓を並べる、『麻雀最強戦2013著名人代表決定戦』の一幕だ。先崎九段が3着の東3局2本場の局面。純チャン濃厚の配牌が来る。ドラの1ピンを重ね頭にし、カン八索をツモって着実に手を作っていく。上家のリーチに対して、高火力な追っかけ立直をかけた。そして、立直ツモ純チャン三色ドラ2の倍満を見事ツモ和了ったのである。
ここだけの話!?先崎学九段が語る『将棋指しの腹のうち』棋士 / 将棋めし
第2回囲碁・将棋チャンネル杯 麻雀王決定戦優勝の『麻雀王』でもある香川愛生女流棋士。彼女のYouTubeチャンネルに、自身の著書『将棋指しの腹のうち』のPRのため、先崎九段がゲスト出演した。本の内容は将棋指しとメシをテーマに、棋士の素顔に迫るエッセイだ。
この動画では、麻雀ファンもよく見る、麻雀好き棋士2人の掛け合いを見ることが出来る。麻雀と将棋では畑が違うと思うが、見てみてほしい動画になっている。
先崎学と麻雀
先崎九段は将棋を指すかたわらに、小学6年生のころから雀荘で麻雀を打っていた。前田裕司九段が著したコラム『言い訳をしたい棋譜』によると、当時所属していた新進棋士奨励会では麻雀が禁止されており、バレたら即退会だったとのこと。趣が近しいこともあり、棋士は麻雀が得意だと先崎九段は語る。自身の著書でも『棋士・先崎学の青春ギャンブル回想録』や『小博打のススメ』など、麻雀に関して記したものも多く見られる。
先崎学の麻雀の実力-強さ-打ち方
将棋を指すとともに、30年以上麻雀をし続けてきており、その実力は高い。勝負事に対する気持ちが熱く、3人麻雀で卓を共にした鈴木輝彦八段からは、同卓した他の棋士より「明らかに鋭い」と語られている。麻雀も将棋も共通して勝負事だ。才能を持ち「天才」と称されながら、将棋に取り組んできた先崎九段には、勝負のセンスが備わっているのだろう。
自身が著した『摩訶不思議な棋士の脳』では、「荒正義プロのバランスの良い雀風が、不遜ながら自身に近しい」と語っている。ずっと3人麻雀で打っていたため、3人麻雀が先崎九段の麻雀のベースとなっている。
SNSでの評価・評判
先崎九段は、SNSでは将棋を指す人ではなく麻雀を打つ人と認識されやすい。同時に、エッセイは高く評価されており、「秀逸だ」「棋士の心情を赤裸々に美しく切り取っている」との声があげられている。
#将棋に詳しくない人向け推し棋士紹介
— 4ノジガタメ (@4n0jigatame) October 24, 2016
先崎学 九段
十代前半から麻雀パチスロ酒タバコろくでもない生活を送りながらもそこは紛れもない天才、A級まで上り詰めた。天は先崎に将棋の才能だけでなく文才も与えた。先崎のエッセイは棋士の心情をえぐり取ったかのようで、生々しく残酷で美しい。 pic.twitter.com/ajVP3YnpqC
自身の経験を著した多数のエッセイは評価が高い。
麻雀放浪記の文庫1巻、解説が先崎学先生なの適役すぎるな。
— アンダーカレント (@under_current) March 19, 2019
棋士ながら、麻雀小説の解説を執筆されている。
香川番長ファンですが、流石にトップランナー先崎学が敗れると麻雀界も世代交代してるんだなと感じますね。
— 7-S- ①ω① (@7S_QED) June 21, 2021
……将棋?いやいや先崎さんは麻雀界の住人です。
将棋ではなく、麻雀畑の人間だと冗談めかして言われている。
先崎学のニュース・こぼれ話
先崎九段監修の将棋漫画『3月のライオン』が第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞
先崎九段が監修を務める『3月のライオン』(著:羽海野チカ)が、第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した。物語の主人公は17歳のプロ棋士である桐山零。事故で家族を失い、孤独と将棋に対する不安感に思い悩む日々を送っている。そんな零が、川本家の3姉妹やライバルと関わっていくなかで成長していくストーリーだ。先崎九段は、漫画で行われる将棋の盤面や流れを作っている。
闘病エッセイ『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』コミカライズ版が発売
ベストセラーエッセイ『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』のコミカライズ版が、文春e-bookにて発行された。「文春オンライン」(文藝春秋)で連載時には、累計564万PVを記録する人気を得ていた同作品。先崎九段の闘病記を漫画家・河井 克夫のポップなタッチで読むことができる。