システム20
手変わりを考慮しないなら多くの場合ダマよりリーチ有利であり、早い段階でリーチした方が有利の度合いが高いので、特に理由が無ければ即リーチすべきです。
逆に言えば、単騎待ち(ノベタンや亜リャンメン含む)のように手変わりがそれなりにあるなら、ダマに受けつつ手変わりを目指す選択も考えられます。特に序盤なら手変わりを待つ猶予も十分あります。
注意すべきは、手変わり狙いといっても、理想形(今回なら3メンチャン)まで待つというわけではないということです。今回は亜リャンメンとはいえ自分で3枚持ちのという、マシな手変わりがいくらでもあるからこその手変わり待ちです。それなりの手変わりをした時点でよりよい変化の種類が大きく減るのでリーチすべきです。
個人的には36や47のノベタン待ちをそれほどアガリにくいとは感じませんが、単騎待ちは手変わりが豊富で、テンパイ以前の段階でも雀頭が無いならより強い待ちを残しやすいので、「その形で即リーチするよりもマシな選択がある」こと自体は多いと思います。結果的になかなか手変わりせずに不本意ながら、「ずっとダマにするくらいならツモ切りリーチした方がマシ」ということもあるかもしれませんが、それでもリーチをする権利が残るということ自体はメリットでこそデメリットではありません。基本はテンパイ即リーチとはいえ、リーチとダマの比較も厳密には、「リーチと、次巡以降リーチする権利の残るダマとの比較」であることは意識しておいた方がいいかもしれません。
システム21
1シャンテンならこちらが先手を取れる可能性も十分あり、先手を取れたからこそ他家の大物手を阻止できることもあるので、今回の手牌なら安牌を残さず受け入れ最大にとってもさほど問題ではないと考えます。
ただし、本書で取り上げられているような相対速度を意識できていないと、アガリに遠い手で手広く受けたところでほとんどアガリやすくならない手で安易に安牌要員を残さずに打ってしまい、結果的に放銃してしまうようなミスが増える恐れがあります。
「早そう」と直接読もうとすると抽象的な判断に留まり、例外に対応できないことが多いので、どちらかと言えば「この牌を切った他家の手が遅いということがあるだろうか」と考え、遅いケースを想定することが難しいなら早いと判断することをお勧めします。本書でまとめられているように、牌の切り順の意味を知り、興味を持つことで意識が向くことで自然と対応できるようになると思います。
オリ本 ~天鳳位が語る麻雀・守備の極意~
本書は第9代天鳳位であるしゅかつ氏が「オリ」について語った一冊です。とはいえ「相手から攻め込まれた瞬間」にどうやってオリるかを解説したものではありません。その前の段階や後の段階の技術(=大局観)を総合的に説明することで、押し引きを点ではなく線で捉えられるようになっています。それと同時に、「こんなケースでは思考停止でベタオリで良い」といった考えなくて良いケース、というのも説明しています(=システム化)。これらの大局観とシステム化の両輪によって本書はより汎用的なオリの技法を説いたものとなり、これまでの麻雀の守備戦術本とは一線を画す、ハイレベルな内容になっています。本書で現代麻雀の最高レベルの「可能な限り失点を防ぐ技術」を体得してください。
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