- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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Logic3
「強い人はメンタルも強い」という言葉をよく聞きますが、個人的には違和感を覚える表現でもあります。何故なら、麻雀のルールを覚えたばかりの人が、麻雀のことでメンタルをやられて打ち方がブレるということは考えにくいためです。
不調続きでメンタルに影響が出るのは確かに、「結果のブレに対する理解不足」から来ているとも言えますが、それを克服したとしても、自分の選択ミスから悪い結果を招いてしまった場合に心が折れそうになることもあります。これはむしろミスに気付けるだけの実力があるからこそ起こることで、どんな強者であっても完全に克服できているわけではなく、むしろそちらの意味では、メンタルが弱いタイプの実力者も少なからず居ると私は考えます。
上からの攻撃に強くしようとすると、側面からの攻撃には脆くなってしまうように、強化と言っても鋼のような意志を持てというよりは、ゴムのように柔軟に構えると言った方が近いかもしれません。不運が気にならなくなるというより、気にはなるけどさほど影響しないということです。
「結果のブレに対する理解を深めること」は、「結果」と、結果の原因となる「抽選」をよく知るということ、「セオリーを習得すること」は、そのまま「選択」のための知識を身につけることになりますが、「対局中のルーティンを設定すること」は、選択のための労力を減らし、選択そのものを楽しむことにつながります。
勝つためには悪い抽選や結果も楽しめるようにすると言う強者も居ますが、それはなかなか困難なことなので、私自身は「選択そのものを楽しむ」ことをモットーにしています。面子もターツも雀頭も無い6シャンテンの悪配牌でも、最善を尽くすなら何を切るべきかを考えることは、むしろ簡単にアガれそうな好配牌が来た場合よりも楽しめますし、もしアガれたとしたらなおのこと楽しめます。大切なのは、勝負に勝つという価値観を保ちつつ、勝ちにこだわる以外の価値観を持つということ。人によって向いている方法は変わってくると思うので、不調続きの時は自分に合ったメンタルコントロール方を探してみるのもいいと思います。
論理的思考で勝つ麻雀
「選択と抽選のゲーム」と言われる麻雀。
プレイヤーの実力が反映される「選択」の精度を高めることは何よりも大切です。
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