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ネマタの戦術本レビュー第852回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その18」

ネマタの戦術本レビュー第852回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その18」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

Logic18

 前回取り上げたような鳴き手に対する読みは重要ですが、読みを意識し過ぎると自分の手牌の評価にかかわらず、「通りそうだから押し」「通らなそうだから引き」のように押す牌の危険度が基準になり押し引き判断を誤る恐れがあります。鳴き手に対する押し引き判断についても、Logic14で取り上げたような対リーチの押し引き判断をまずは基準にしましょう。

 

 テンパイ率も打点も高くなさそうな仕掛けに対しては原則対応不要ですが、例外を挙げるとすれば、アガリを目指すにしても複数の選択肢があり、他家の動向を考慮しないとしても判断に迷うケース。放銃した場合はアガることができず、放銃しなくても鳴かれればそれだけアガリ率が下がってしまうので、手牌の価値があまり落ちないようであれば放銃リスクが低い選択を取りつつアガリを目指すに越したことはありません。

 

 もう1つは、悪形残り2シャンテンの中でも、アガれたとしてもリターンが小さい低打点の手や局面上アガリを目指す必要性が薄いケース。この場合は仕掛けが「低打点確定」と、「「打点不明高打点率低」で対応が変わることも考えられます。前者なら仮に放銃したとしても、別の他家に高打点の手をツモられるよりは良いとみて自分のアガリを中心に考えますが、後者は高打点放銃の可能性も少なからずあるため、完全にベタオリするほどではないとしても、放銃リスクの低い牌を切りつつ手を進めるに越したことはないと判断します。

 

 フーロ者がいる場合のダマ高打点リーチ判断について。原則は本書通りで問題ないですが、もう一つ考慮に入れておきたいのは、フーロ者の待ちが、自分の現張りになっている可能性。もし自分が切っている牌がフーロ者のアガリ牌であれば、リーチを打つことで別の他家がフーロ者のアガリ牌を切ってしまい、結果的にアガリを逃すこともあります。153ページ例2のケースで、別の他家は仕掛けに対しては降りている様子が無いといった場合は一応考慮しておきましょう。

 

論理的思考で勝つ麻雀

「選択と抽選のゲーム」と言われる麻雀。
プレイヤーの実力が反映される「選択」の精度を高めることは何よりも大切です。
本書ではそのために必要な考え方、戦術を論理的に解説します。

著者は麻雀の思考の言語化の達人、中嶋隼也プロ。ロジカルで分かりやすい解説が遺憾なく発揮されています。

点数状況・巡目・他家の挙動など、状況が刻一刻と変わるゲームである麻雀において、得な選択肢を選び続けるための論理的思考力を本書で身に付けましょう!

著:中嶋隼也(@owadasenmu
単行本:1,404円
 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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