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ネマタの戦術本レビュー第848回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その14」

ネマタの戦術本レビュー第848回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その14」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

Logic14

 ①テンパイなら押し寄り、ノーテンなら降り寄り。押し引き基準の根幹になるのがアガリまでの手数です。押すか引くかの判断と聞くと⑥押す牌の危険度を真っ先に考えがちな方も結構います。確かに切る牌が完全に安牌なら手牌の形にかかわらず切って問題ないのですが、押す牌の危険度が基準になると、押すべき手で押せず、降りるべき手で降りることができない打ち手になりかねません。しかも結果的にその方が他家の当たり牌を止めることも多くなるので、自分の打ち方が間違っていることになおのこと気付けなくなります。期待値を体感で判断するのは人間には難しいですから、結果論は禁物です。

 ②アガることがそのまま他家のアガリを阻止することにつながるので、アガリやすい待ちかどうかが手組の段階以上に結果に影響します。①でノーテンなら降り寄りとしましたが、アガリに遠い段階ほど手が進むツモが多いという性質があるので、1シャンテンでもテンパイするツモがかなり多く良形テンパイになりやすいとなると押すケースも増えます。

 ③ ②の影響が大きいので、相対的に手組の段階と比べると打点の価値が下がります。高打点が狙えると言っても、ノーテンかつ悪形残りなら降りることが増えますし、その逆も言えます。

 ④手組の段階では親か子で判断を変えることはそこまでありませんが(むしろ親の方が打点1.5倍を活かしてやや打点寄りの手組が有効になるまである)、押し引きの段階では親か子で判断が変わることが多くあります。自分が親なら、安手であっても子で高打点が狙えるケースと同程度と判断するとよいでしょう。

 ⑤特に1シャンテンから押すかどうかの判断になると巡目が重要になります。序盤は切る牌の危険度が相対的に低いこともあり押すことも増えますが、終盤でノーテンならほぼ降りることになります。テンパイ料の影響で、最終盤のテンパイはむしろ押し寄りになるということも意識しておきましょう。

 ⑥ 元々押し有利な手であればそこまで意識せずともよいですが、危険牌を切るとそれだけアガリ率も落ちるので、微妙なケースでは重要な要素になります。逆に言えば安牌を切ってテンパイに取れるなら取るに越したことはないですし、メンゼンテンパイなら大抵の場合は追いかけリーチを打つに見合います。危険牌を引くようなら降りた方がよさそうな手牌であっても、危険牌を引く前にアガれるチャンスが結構あるというのがその理由です。

 ⑦1件相手ならテンパイさえしていれば結構押せますが、2件となるとテンパイでも降りることが増えます。注意したいのはテンパイしているのはリーチ者だけとは限らないこと。1件相手で押すかどうか微妙なケースであれば、別の他家がテンパイしている可能性がないかにも気を配りましょう。

 ⑧安牌が1枚以下なら、テンパイか、1手進みさえすれば押し有利になる手牌なら押し寄りと判断します。逆に言えば1手進んだとしても、安牌が十分にあれば降り有利な手牌であれば少しでも放銃失点を押さえられるように降りるというのが一つの基準です。

 ⑨点数状況関連は誰のテンパイに対して押すかも重要な要素です。トップ目でもアガられると2着、振り込んでも3着以下に落ちづらいとなれば押し寄りになることもあり、ラス目であってもアガったところで順位が改善せず、横移動に期待した方がよい場合は降り寄りになる場合もあります。

 

 テンパイさえしていれば結構押し有利になるのは、ベタオリした場合の失点が結構大きいためです。逆に言えば、一旦引いてもベタオリにならないケースは、ベタオリと比較すれば多少有利程度では押すのが必ずしも有利とは限りません。このあたりの判断は正解を出すのが難しいですが、意識しておくことでより高い精度で押し引き判断ができるようになると思います。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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