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ネマタの戦術本レビュー第851回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その17」

ネマタの戦術本レビュー第851回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その17」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

Logic17

  鳴き手に対して高い精度で押し引き判断をするためには、少なからず読みの技術が重要になります。読みの技術に関しては言語化が難しく、取り上げられていたとしても部分的な内容に留まることが多かったのですが、本書では基本的な読みの技術について一通り網羅したうえで簡潔にまとめられています。鳴き手に対する押し引きが苦手と感じる方は、この項目の内容を読み返されることをお勧めします。

 

 高打点確定、低打点確定は見れば分かるので、読みとして重要なのは鳴きだけでは打点不明とはいえ高打点の可能性が高いと言えるケース。リャンメンからチーされたら高打点とは昔からよく言われますが、たとえ序盤であっても、三色や一通の手役を確保する仕掛け、らのチーのような二度受けを解消する仕掛け、点数状況や打ち手の麻雀観から安手でも問題ないと判断した仕掛け、相手に高打点の手が入っていると思わせて牽制するための仕掛け…というように例外も数多く考えられます。

 

 とはいえ、高打点の傾向があるというのは確かなので、例外があるから役に立たないとするのでもなく、高打点であると決めつけるのでもなく、序盤からリャンメンチーが入ったという情報を踏まえたうえで、高打点でない例外形がどの程度あるかを把握することが肝心です。このあたりを文章として丁寧に説明しようとするとどうしても長くなり、かといって簡潔にまとめようとすると、当てはまらないケースが増えて読みとしての信用度が低くなります。読みの技術を言語化するのが難しいのはこのためです。

 

 ドラが固まっているケースだけでなく、手役狙いの傾向がある場合も、仕掛けから手役を推測したうえで、例外形がどの程度あるかを想定するようにします。ホンイツやトイトイで例として取り上げられているケースのように、例外が想定しづらいので、やはりこの手は想定していた手役を狙っていて、テンパイしたらこそその手役狙いのために必要な牌が切られたと読めることはよくあります。

 

論理的思考で勝つ麻雀

「選択と抽選のゲーム」と言われる麻雀。
プレイヤーの実力が反映される「選択」の精度を高めることは何よりも大切です。
本書ではそのために必要な考え方、戦術を論理的に解説します。

著者は麻雀の思考の言語化の達人、中嶋隼也プロ。ロジカルで分かりやすい解説が遺憾なく発揮されています。

点数状況・巡目・他家の挙動など、状況が刻一刻と変わるゲームである麻雀において、得な選択肢を選び続けるための論理的思考力を本書で身に付けましょう!

著:中嶋隼也(@owadasenmu
単行本:1,404円
 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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