戦術本『麻雀の2択』のレビューを始めさせていただきました。こちらでは本書で取り上げられている、「データの泉」を元に思うところを徒然なるままに書かせていただきます。データの具体的な数値については、是非とも本書を購入のうえ御確認下さい。
「データの泉」69p
配牌に含まれるドラの平均枚数は、13(配牌の枚数)×7(ドラの枚数)/136(麻雀牌の枚数)で求められます。配牌ドラ枚数の割合については計算機が必要になりますが、これについても計算で求められます。統計データでもこの結果になったということは、オンライン麻雀だから演出で配牌にドラが固まっているといったチャンス手が来やすいといった補正の類は、少なくとも天鳳では存在しないということが分かります。「何となく好配牌が来ることが多いと感じる」のは、前回の「一発が多い」と感じるのと同じ理由で説明がつきます。
配牌にドラが2枚あったら神様に感謝してもいいですが、それよりは目の前の手牌、局面に集中して取りこぼしが無いように打つことを心掛けたいですね。
ドラが複数あってアガリにまで近い場合は、何としてでもアガリを取れるようベストを尽くすことを心掛けます。最速でアガリを目指すと聞くと手役を狙わないように聞こえますが、麻雀には1翻縛りがあるので、喰い仕掛けをみて手役を狙う選択が最速であることも少なからずあります。この手の仕掛けの技術は、『麻雀麒麟児の一打』や、『神速の麻雀』に多数取り上げられており、『勝つための現代麻雀技術論』でも参考にさせていただきました。
ただ、本書のうろ覚えなのか、何となくどこかで聞いた手筋を真似しているのかは知りませんが、「鳴き過ぎ」と思われる打ち手も少なからずいるように思われます。昨今の戦術書では何度となく、「シャンテンが変わらないうえにメンゼンを崩す仕掛け」が取り上げられていますが、大概はドラが複数あり、鳴くことで手役がつけやすくなるもの、手牌としてはかなり恵まれた部類のものばかりです。
本書のデータにもあるように、配牌の段階ではドラが1枚以下であることが多いものです。ドラが1枚以下ではっきり見える手役も無いとなると、まず目指すのはやはりリーチとメンゼンツモ。うまく手役をつけてタンヤオドラ1では2000点止まりですが、リーチドラ1ならツモって裏1で満貫。そこまでいかなくても平均打点で4600点程度あるのですからこの差は案外大きいです。
私自身も、針の穴に糸を通すようなアクロバティックな仕掛けからアガリ切る打ち方に魅力を感じる打ち手の一人ですが、麻雀の配牌というのは、大半はもっと地味なもの。戦術本に書かれているような打ち回しを実践してみたいと思うがあまり、奇をてらった打ち方にならぬよう注意したいですね。